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Tohazugatali Economic Review

1■とはずがたり:2003/02/24(月) 18:56
経済(学)スレです。個別ネタは各スレッドでしますが一般スレが無いので立てます。
景気やマクロ動向なども。

1994とはずがたり:2019/10/04(金) 15:09:03
>>1993
ただ、厳しいことを言わせていただくと、今の中小企業をすべて生かして、経営を改善する程度や、働き方を変える程度という、表面的な改革の議論をしているうちは、これから日本にやってくる危機を乗り切ることはできません。「中小企業改革」をすることなく、日本の明るい未来はやってこないのです。

その中小企業改革の神髄は、中小企業の規模を大きくして、大企業と中堅企業を増やすことです。人口が減るので、それは結果として中小企業の数が減ることを意味します。

なぜ中小企業の数を減らさなければならないか

まず、企業の規模が大きくなればなるほど生産性が上がる、という経済の大原則があります。これは日本も例外ではなく、業種別・都道府県別の平均企業規模と、生産性は見事なほど一致しているのです。だから、生産性向上は企業の規模が拡大することを意味します。

企業規模が大きくなれば分業ができますので、社員の専門性が上がって、一人ひとりが自分のスキルを最大限に発揮できるようになります。小さな企業よりも利益が集約されて、絶対額が大きくなりますので研究開発や人材開発などにも力を入れることができます。そして、中堅・大企業は体力があるので、生産性に大きく影響を及ぼす輸出をすることができます。

日本の中小企業の中には大企業に負けない技術力を持っているとか、大企業の中にも生産性の悪い会社だってあるとか反論をする方もいらっしゃるかもしれませんが、それはあくまで個々の特殊ケースであって、国の経済全体を考えれば、カギが企業規模にあるのは疑いようのない事実なのです。

中小企業だって頑張っている、技術レベルの高い労働者が犠牲となると言われますが、根拠がありません。合併をすれば、その労働者はより安定的な職場でより豊富な経営資源を活用して、中小企業で発揮できなかった自分の技術を最大限まで発揮できます。要するに、中小企業で働いていることによってスキルが高くなったという事実もなければ、中小企業で働かないといけないという事実もないのです。

また、規模が大きくなれば社員の働き方にも余裕ができるので、有給休暇の取得率が上がります。当然、産休や育休の取得もハードルも下がりますので、女性活躍を促すことができます。

要するに、政府が進める「働き方改革」というのは、企業の規模を大きくすることによって初めて可能となるものであって、それがなくしては、女性活躍や有給休暇に関する、どんなに厳しい規制をしても、どんなにPRをしてもそれほど効果はないということなのです。

最後の3は、世界一の技術大国だ、ものづくり大国だと言いながらも、なぜ日本からアップルやグーグルなど、ベンチャーから世界的大企業へ成長する会社が現れないのか、ということが大事な視点です。

ベンチャー企業というのは、人口が増えている国で多く誕生します。世界的に見れば、新しい企業というのは、起業する時点の技術などをベースにしているので、その国の平均生産性よりも高い生産性を最初から実現していることが多いです。つまり、人口が増えれば増えるほど、産業構造の中で、生産性の高い企業の割合がどんどん増えて、生産性の低い企業による悪影響が希薄化されるのです。

かつての日本のように人口が右肩上がりで増加している国というのは、国が上手な中小企業支援策を実施すれば、ソニーやホンダのようにベンチャーから成長を遂げた大企業が増えて、国全体の生産性も向上していくのです。

しかし、残念ながらこれからの日本ではそのような好循環は期待できません。人口が減るので、新しい企業も減ります。生産性の低い企業による悪影響は、希薄化されるどころか顕在化していくのです。

以上の3つの理由を突きつめれば、結局のところ、問題は日本に非常に小さな規模の企業、つまり中小企業が他の先進国よりもあまりに多すぎるということに集約します。日本経済を客観的に俯瞰すれば、中小企業が多いことで、産業構造が非効率となるなどさまざまな弊害をもたらしているのは明らかです。

「中小企業神話」を打ち破れ

ただ、中小企業改革に強固に反対するような人々は、日本が高度成長してから、世界第2位の経済大国にまで発展したことと、同時発生的に小さな規模の会社が増えたことをあたかも因果関係があるように、混同しているだけです。それが日本の中小企業神話の根源です。

実はもともと日本は中小企業が多かったわけではありません。それがいつかをたどっていくと、日本の人口が右肩上がりで増えていた1964年というタイミングを境にして、中小企業の数が爆発的に増えているのです。

ここから日本は世界でも有数の「中小企業大国」となって、産業構造がどんどん非効率になって、現在のような先進国でダントツに生産性の低い国となる道を歩み始めるのです。人口増加時代の下、その問題は表面化しなかっただけで、今となって、人口減少によって表面化しています。


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