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Tohazugatali Economic Review
1927
:
とはずがたり
:2018/07/17(火) 22:41:32
>>1926
そうではなくて、藻谷浩介が早々と『デフレの正体』(角川新書)で説いたように、日本はすでに人口減少社会に突入し、中長期的に見て慢性的な需要不足にならざるを得ない構造になりつつあって、そこでは、量的拡大による「成長」という従来の発展途上国型の目標設定を止めて、質的充実による「成熟」という先進国型の目標設定に切り替えなければならない。
第2に、通貨供給量を増やせばデフレが治るという発想が間違いであることに加えて、それを「異次元緩和」でマネーをジャブジャブ状態にすれば、人々は「カネが余っている」と錯覚して喜んで消費に走るだろうという、米国起源の「インフレ期待説」とかいう「ブードゥー(呪術)経済学」がこれに輪をかけた。人間をこれほどまでに馬鹿にしたエセ経済学がノーベル賞を得たというのは謎だが、安倍首相もその邪教に引っかかって信者の列に連なったのである。
マネーはどこへ行ったのか?
第3に、それにしても「異次元緩和」で日銀が繰り出したマネーは一体どこへ行ったのか。どこへも行かず、ほとんど日銀構内から外へ出ていないというのが事の本質である。
確かに日銀はマネーの供給を激増させたが、それをいきなり空からバラ撒くことなど出来るはずもなく、国債を購入することを通じて世の中に染み渡らせようとする。しかし、自ら直接に債券市場で購入することは出来ないので、民間銀行など金融機関が保有する国債を買い上げて、その代金を、各銀行が日銀内に設けている日銀当座預金に振り込む。日銀が増やしたマネーは主に国債購入に向かい、そのため日銀は国債発行残高の4割以上をも抱え込み、その結果として民間銀行が日銀内に持つ当座預金もマネタリーベースの増加とほぼ並行して増加して385 兆円となった、という訳である。
日銀当座預金はゼロ金利ないし一部は逆金利なので、置いておいても得にならないどころか損になる場合もあるので、各銀行は急いで引き出して貸出などに回すだろうと想定されていたのだが、案に相違して各銀行は一向に引き出さず、そこにマネーがジャバジャバに貯まってしまったというのが、385兆円という数字である。なぜなら、日本経済は全体として人口減少=需要減退基調に入っていて、旺盛な資金需要に乏しく、多少なりともあったとしても大企業はみな内部留保の形で借り入れせずとも投資に回せるマネーを持っているし、銀行も貸出よりも預金が上回る傾向が長く続いていて、日銀当座預金を取り崩さなければならない理由がないからである。
もちろん、銀行が成熟時代の質的充実に狙いを絞って人々の知恵に向かってリスクを賭けて貸出をするノウハウを蓄えていれば、実はいくらでも貸出先はある。しかし日本の銀行は明治から150年、土地担保でしか金を貸したことがなく、それがバブル崩壊による不良債権の山となって死ぬほどの思いをした後には、はっきり言って、どうやって金を貸したらいいのか分からないでいるのである。
こうして、この期に及んでまだ「成長」を目指して金融政策を動かそうとする政府の発展途上国型の発想と、それで金余りになってもダイナミックな先進国型の投融資のノウハウを持たない銀行の発展途上国型の体質とが相俟って、せっかくの異次元緩和にもかかわらず、この国の経済にはほとんど何も起きなかったのである。
それでも何とか景気の落ち込みは回避されているじゃないかと思うかも知れないが、それは、異次元緩和当初のショック療法による株高と円安の効果を持続させるために、官邸主導で為替、株式、債券の3市場を事実上の“国家管理”下において操作しているからで、こんな中国も顔負けの“社会主義市場経済”的なやり方は、そういつまでも続かないのではないか。
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