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Tohazugatali Economic Review

1718とはずがたり:2016/09/21(水) 23:16:51

彼ら2人は過去100年間の世界各国のデータを集め、デフレの時期、インフレの時期、好況の時期、不況の時期の4つの事象に分けてプロットしました。そして「デフレと不況がはっきり関連しているのは、1929年に始まるアメリカの大恐慌の時期だけである」という結論に達しています。

まずは、1929年から1934年までの世界大恐慌時における主要16カ国のインフレ率と実質経済成長率をプロットした図をごらんください。

この図では、世界大恐慌時に16カ国すべてでデフレを経験したものの、そのうち8カ国が「デフレ」と「不況」を同時に経験し、残りの8カ国はデフレだけを経験したことを示しています。そして、16カ国中で成長率がいちばん悪かったのがアメリカでした。
>>1717-1718
前FRB議長であったベン・バーナンキ氏は、大恐慌の研究で知られています。おそらく彼の脳裏にはこのときのアメリカだけを見て、「デフレ=マイナス成長」という相関関係が刷り込まれてしまったのでしょう。

これに対して、アトキンソン氏とキホー氏は、世界大恐慌時に続いて、1820年?2000年の非常に長い期間についても、主要17カ国の5年ごとの平均の実質経済成長率とインフレ率を調査し、別図のようにプロットしました。

大恐慌の時期の5年を除くと、合計595例(17カ国×36期間-恐慌時17例)ということになります。

そのうちデフレの事例は73例。しかしそのとき、同時にマイナス成長でもあった「デフレで不況」という事例は8例しかありませんでした。

むしろ、「デフレだが好況」という事例が65例もあり、デフレの事例全体の89%で経済はプラス成長をしていたのです。

このことだけから見ても、「デフレであると、経済が成長できない」などという考え方は、単なる思い込みにすぎないことがわかるでしょう。

その一方で、インフレの522例のうち、501例がプラス成長となり、マイナス成長だったのは21例(「デフレでないが不況」の部分)しかありませんでした。こちらも全体の96%はプラス成長となっています。デフレ時よりプラス成長の割合は高いですが、インフレであってもマイナス成長の時期は確実に存在することがわかります。

また、全体で不況の事例は29例ありましたが、そのうちインフレであったのが21例の72%、デフレであったのが8例の28%を占めています。要するに、物価上昇率と不況との間には明確な関連性を云々できるほどのつながりはないのです。

主流派によって、画期的な論文は黙殺された

アトキンソン氏とキホー氏は、この論文を次のように結論付けています。

「われわれの提示したデータをみると、デフレと不況のあいだには強い関連性がないことがわかる。歴史を振り返ってみても、不況があるデフレの期間よりも成長があるデフレの期間のほうが多く、デフレがある不況よりもインフレがある不況のほうが多いことがわかる。総じて、デフレと不況とのあいだに関連がないことをデータは示している。

この研究では、デフレと経済成長の未加工データから読み取れる関係性の特徴を示している。未加工のデータとは、金融制度の様式やデフレ予想の程度など、何も手を加えていない生のデータだ。おそらく、デフレと不況の関連性は過度の動機づけをもとに加工されているデータによって歪曲されているのだろう。

この論文で明らかにしたのは、そのようなデータの加工をなくさなければ、データは明らかな関係を示さないということだ。デフレと不況の関連性が強いと主張する人びとにとって、こうしてハードルは上がっている」

しかし、この歴史的な事実を解き明かした論文はその後、クルーグマン氏やバーナンキ氏をはじめとするアメリカ経済学の主流派によって黙殺されてしまい、表に出ることはほとんどありませんでした。洋の東西を問わず、時代の今昔を問わず、学問で権威ある人々にとって都合の悪いデータは存在しなかったことにされる傾向が強いようです。


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