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Tohazugatali Economic Review

1534とはずがたり:2015/01/30(金) 14:42:55
>公共事業は、民間投資に対するクラウディングアウト(押しのけ)効果という負の副作用が強くなっているのが実態です。

公共事業頼りの景気維持は続かないばかりか副作用を生んでいる
http://www.insightnow.jp/article/8202
日沖 博道 パスファインダーズ株式会社 代表取締役 社長
42014年9月10日 17:57

アベノミクス第二の矢、公共事業による景気刺激政策は費用対効果でみると既に正当化できないばかりか、民間投資の「クラウディングアウト」を生んでいる。公共投資はむしろ抑制し、民間国内投資を促す「第三の矢」への重点シフトを急ぐべき。
第二次安倍内閣への支持率がぐんと跳ね上がって首相の御機嫌はよいのでしょうが、アベノミクスと称される経済政策には誤算が多々生じてきています。

第一の矢、大胆な金融緩和がもたらした「一層の金利低下」は確かに、株価持ち直しにより富裕層の懐を潤わせ、景気転換のきっかけをもたらしました。でも直接の目標であった「円安誘導」には成功しながらも、本来の狙いだったはずの「輸出主導の景気盛り上げ」にはつながっていません。長年の円高に懲りた大手輸出企業が生産施設を海外に移転し終わったタイミングでの円安転換だったため、輸出数量が意外なほど伸びないためです。反面、その円安は原燃料の輸入価格急騰を確実に生じさせ、日本経済に多大な負荷をもたらしていることは周知の通りです。

第二の矢、公共インフラ建設投資による景気刺激政策はもっと期待外れです。確かに当初は、第一の矢がもたらした資産効果と相まって、景気回復期待を高めました。「景気は気から」と言いますが、「この先、景気がよくなりそう」と大衆と企業の心理を転換させた貢献は高かったと思います。しかしその後、実態としての景気刺激のカンフル効果は次世代への財政負担押し付けを正当化できるほど大きくならないまま、むしろ今では逆に人手不足を通じての、民間投資に対するクラウディングアウト(押しのけ)効果という負の副作用が強くなっているのが実態です。

少々説明が必要ですね。そもそもなぜ公共インフラ建設投資が政府による景気刺激政策の代表的事業となっているのでしょう。これには経済学でいうところの「乗数効果」という概念が鍵となります。政府の公共支出額が次々と人々の懐具合を刺激し、最終的にどれだけの額の需要創出=人々にとっての総所得をもたらすかの増幅度合いを指しています。この需要刺激効果浸透の過程で、仕事を受けた人々が収入のうちなるべく多くの割合を早めに支出するほど、乗数効果は高くなります。簡単に言うと、「宵越しの金を持たずに、ぱーっと使う」江戸っ子ばかりだと乗数効果は非常に高く、「世の中の金回り」=景気を一挙によくすることができるのです。
公共インフラ建設に関わる肉体労働者の多くは、もらった給金の多くを飲み食いなどですぐに散財してくれる、その意味で理想的な労働者でした。そしてその金を受け取る飲食業や旅館業の人たちも、すぐに仕入れに回してくれます。彼らから金を受け取る漁師や農家の人たちも同様です。特に経済的に余裕のない人々ほど、飲食はもちろん、衣服や家屋の修繕など先送りしていた支出にすぐ回してくれるので(貯蓄に回す余裕がないので)、公共投資の金の行き先として望ましいといえます。少なくとも高度成長期にはこの歯車が絶妙に速く廻り、世の中が潤ったのです。インフラ建設投資が公共投資の模範的事業とされた所以です。

ところが低成長期になり人々が高齢化に向かうと、将来に不安を抱く人々は消費に慎重になり、しかも当面の生活が何とか廻ると、収入から貯蓄に回す割合を可能な限り増やします。着実に市場縮小に向かっていた当時の公共事業に関わる建設業の親方は、業態変換や廃業を念頭に置いて自らの取り分を増やし、内部留保に励みました。中高年になってきた建設・運輸業の労働者は「いつまでも働けるわけじゃない」と将来のために貯蓄の割合を増やしました。その他の業種の人々も同様です。こうして日本の公共事業投資の乗数効果はどんどん下がっていきました。そのため政府の借金が膨れ上がる一方で、公共事業のカンフル効果は情けないほど失われてしまったのです。


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