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Tohazugatali Economic Review

1508とはずがたり:2014/05/28(水) 18:36:54
>>1507-1508
時間に対する感覚が変化する

1970年代、研究者のEdward Deci氏は、ボランティアのグループにジグソーパズルに取り組んでもらいました。参加者の一部には、その取り組みに対してお金を支払いました。実験を行った日の後半、実験担当者は当初お金を支払っていた人に対して、その時間以降はお金を支払わないと告げ、部屋を出ていきました。

当初、お金を支払われていたグループは、その後パズルに手を付けず、退屈していました。一方で、単なる挑戦としてパズルに取り組んでいたグループは、その後も楽しんでパズルに取り組みました。報酬を与えられていた参加者は、後半パズルに取り組むことを「タダ働きすること」であると感じていたのに対して、報酬を支払われていなかった参加者は、パズルを遊びとして認識し続ける結果となったのです。

研究者はまた、時間給としていくら稼いでいるかと考えると、時間に対する感じ方が変わると主張します。スタンフォードの研究者DeVoe 氏とJulian House氏の行った研究では、自分の時給を考える傾向にある人は、余暇の時間、たとえば音楽を聴く時間などを楽しめない傾向にあると言います。一時間に10ドル稼いでいるとしたら、2時間音楽を聴くことは20ドルの「コスト」がかかることになるのですから。

お金は人を怠け者にする

お金の問題がややこしさを増すのは、グループで1つの仕事に取り組むときです。時に、高い金銭的報酬がチームのパフォーマンスを落とすこともあります。

たとえば、3人のデザイナーが新しい雑誌のデザインに取り組むとしましょう。メンバーは各自リサーチを行い、順番に雑誌の表紙デザインを提案するとします。

あなたがクライアントだったとします。あなたは、デザインの出来次第で、かなり高額な料金を支払うことをオファーします。すると、「インセンティブの反転」と呼ばれる現象が起こるのです。

高額な報酬がオファーされると、デザイナーはちょっと手を抜いても、他のデザイナーががんばってくれるだろうと考えるようになります。高額な報酬を得るために、他のデザイナーがかなりがんばってくれるだろうと、他人をあてにするようになるのです。実際には、そのように運びません。他のデザイナーもまた、手を抜いてしまう可能性が高いのです。このように、チームに対して多額の報酬を約束することが、逆効果になります。

同様の問題は、報酬の額が中程度であれば生じません。額がそこまで大きくなければ、他のデザイナーはその報酬に見合わないことを理由に手を抜くだろうと考えて、自分ががんばろうと考えるようになります。自分ががんばらなければ、他のデザイナーも手を抜くため、誰も報酬を得ない結果になると考えます。そのため、最初のデザイナーは懸命にがんばり、その結果、他のデザイナーも後を追ってがんばることになります。報酬が中程度であると、チーム全体がより熱心にがんばることになるのです。

お金は人の動機にならないと言っているのではありません。むしろ、私たちは、より多くのお金を出すことがすべての解決策にはならないこと、それどころか時に問題を複雑にすることがある点に気付くべきです。あなたが情熱を傾けているプロジェクトを大切にしてください。そして、そこに金銭的報酬を絡めるときには慎重になってください。一度お金が絡むと、元の状態に戻すことはほとんど不可能になるのですから。

The Unpredictable Consequences of Using Money as an Incentive|99U
Christian Jarrett (訳:佐藤ゆき)


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