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Tohazugatali Economic Review

1496とはずがたり:2014/03/02(日) 18:10:16
>>1495-1496
努力と成果の関係性
■どこまで努力したらブレークするか

 せっかくよい努力をしていても、途中で断念する人や企業が大半だ。最大の理由は、「どこまで努力したらブレークするのか」という閾値がわからないからだ。

 努力と結果の因果関係は頭ではわかっていても、その努力をいつまで続ければ結果につながるのかが見えない。たとえ努力の方向性は正しくても、ゴールが見えないのは実にしんどい。見えない閾値を越えるには、「あと1回」「もうひと踏ん張り」と自分を鼓舞するStickyさが不可欠だ。

 ある業界の営業の世界では、まことしやかにこう囁かれている。

 「平凡な営業マンは顧客に平均6回訪問する。飛び抜けた成績を挙げる営業マンの平均は7回。あと1回顧客を訪問できるかどうかが成否の分岐点だ」。

 どの営業マンも努力をしていないわけではない。しかし、6回で諦めてしまう営業マンと、7回という閾値を乗り越える営業マンでは、パフォーマンスに決定的な違いがあるということだ。

 科学的な裏付けがあるわけではない。しかし、6回も訪問したにもかかわらず、ものにならなければ、意気消沈し、諦めるのが普通だろう。平凡と非凡の差は、この時に「もうあと1回」訪ねてみようと思えるかどうかなのだ。

 7回行けば成約できるとわかっていれば、どの営業マンも「あと1回」に挑戦する。閾値が見えないときの「あと1回」の努力こそが、非凡な才能である。

■たったひとりの応援団を探そう

 私自身も閾値の経験をしている。私のライフワークは「現場力」の研究である。日本企業の競争力の源泉は現場にあるというのが私の見立てであり、現場力とは何か、どうすれば現場力を高めることができるのかが私の最大の関心事だ。

 私は04年に『現場力を鍛える』(東洋経済新報社)を出版し、それ以来現場力という言葉は広まり、様々な企業が現場力強化に取り組んでいる。お蔭さまで、この本は出版して10年経過したにもかかわらず、いまだに増刷している。

 しかし、私が「現場力」という概念を打ち出したのは、実はこの本が最初ではない。00年頃からいくつかの雑誌や他の私の書籍でも現場力について触れ、授業や講演でも取り上げている。

 にもかかわらず、現場力に対する反応はほとんどなきに等しかった。自分の主張に反応がないというのは寂しいだけでなく、自信喪失、自己否定につながる。

 現場力なんて誰も関心がないし、誰も面白いとは思ってくれない。だったら、そんなことを口にするのはやめよう。私の心は折れかかっていた。

 そのときに、助け舟を出してくれたのが、出版社の編集者だった。

 「現場力という考え方はとても面白いから、これで本を出しましょう」と声をかけてくれた。これが出版につながった。このときの編集者の声掛けがなければ、私は現場力という考え方を世に問うことを断念していただろう。

 100人のうち99人が無関心だったり、否定的であっても、1人がポジティブな反応を示してくれれば、人間は前に進むことができる。小保方さんも「あきらめようと思ったときに、助けてくれる先生たちに出会ったことが幸運だった」と話している。閾値を越える「あと1回」の努力は、本人の執念もさることながら、「たったひとりの応援団」との出会いによってもたらされるのだ。

早稲田大学ビジネススクール教授 ローランド・ベルガー会長 遠藤 功 写真=時事通信フォト


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