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Tohazugatali Economic Review

1407とはずがたり:2011/11/18(金) 21:31:01
>>1405-1407
 小手先で上げ下げしやすい税の代表格が所得税だろう。しかし、経営者・自営業主・農家所得の補足率は低い。いわゆる「クロヨン」「トーゴーサン」問題だ。したがって、所得増税は事実上、勤労者だけに税負担を負わせているとさえいえる。また、法人税は、企業利益がプラスにならなければ支払われないため、景気に対する変動が大きすぎて、安定財源にならない。

 そうした点を踏まえ、安定財源が必要な社会保障関係費として最もふさわしいのは、消費税だろう。ただし、日本の場合、取引当事者間で税額チェックが行われることになるインボイス方式<商品の流通過程で仕入先の発行するインボイス(=商品価格や税額が明記された送り状・納品書)の提出が義務づけられている方式>ではなく、申告方式を採用しているため、徴税効率が悪い。

 では、なぜ世界中で日本だけインボイス方式を採用しないのか。一つの理由として噂されるのは1989年に消費税が導入される際、インボイス方式を採用しないことで導入反対派と妥結したためだという理由だ。要するに消費税反対論が根強いのは、脱税への抜け道がなくなるからだというわけだ。それは法律を守り、きちんと納税をしている企業や労働者だけに課税するおかしな課税システムである。

 実際、インボイス方式ではない日本では、年間の個人消費額が300兆円であるにもかかわらず、消費税収は税率5%をかけた額より5兆円も少ない10兆円である。5兆円もの漏れが生じるシステムのままでよいのだろうか。

 私は、消費税率10%かつインボイス方式の採用が望ましい社会保障財源だと考えている。もちろん、ごく例外的な品目は残存するが、単純計算で個人消費を考えると税収は30兆円になる。現在より20兆円の増収だ。


 戦後日本は、階層移動が激しい社会だったが、今では世の中が落ち着いて社会階層が固定化しはじめている。それは大都市圏に土地を保有しているだけで、お金持ちになった人たちが増えたこととも関係している。土地利用を活性化し、階層を固定化させないためにも、再分配の原資として、階層の固定化を防ぐため、資源の有効活用、と二重三重の理由から相続税は断固増税しなければならない。

 以上のように、給付つき税額控除、そして消費課税、投資課税、所得課税の3本柱によって、日本の戦後税制に大きな影響を与えたシャウプ勧告以来の大改革が起きれば、負担を最小限に抑えた「財政再建」と「税と社会保障の一体改革」は可能になるだろう。

欧州の債務不安に伴う景気後退は明白
首相は増税によって減収になったらどう責任をとる

――97年に消費税率を3%から5%に引き上げられたが、その影響により回復傾向にあった景気は後退、増税による増収は開始年度のみに終わり、98年以降は税収が落ち込んだ過去がある。そうした点も踏まえ、今回の増税は、日本の景気や税収にどう影響するか。

 先程お話ししたような税制改革を行わずに増税に踏み切れば、法を守り、きちんと納税をする一部の人や企業にだけ、負担がさらに圧し掛かることになるだろう。確かに前回の消費税増税後の大減収は、アジア通貨危機による景気後退の影響も大きかったとも言えるが、今回も当時のように、または当時以上の厳しい国際情勢であることを忘れてはならない。

 もしこのまま増税を進め、増税後にかえって税収が落ちた場合、政府はどう言い訳をするつもりなのか。欧州のソブリン危機により、誰の目にもこれから景気が悪化するのは明らかであるにもかかわらず、増税をした結果、税収が落ちたとしたら、国民は首相の言い訳を聞き入れてはくれないだろう。

 やはりそうした最悪の状況を避けるためにも、繰り返しになるが、増税の前に税制と行政体系をシンプルにしなければならない。税制を一度整理し、シンプルかつ効率的な体制と行政体系にしなければならない。それによって、捻出可能になる財源は必ずあるはずだ。整理をしないままの増税に踏み切れば、“正直者が馬鹿を見る”だけのことになりかねない。


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