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Tohazugatali Economic Review

1344杉山真大 ◆mRYEzsNHlY:2010/07/16(金) 20:59:37
誰も解っていない「流動性の罠」
http://krugman.blogs.nytimes.com/2010/07/14/nobody-understands-the-liquidity-trap-wonkish/?src=twt&twt=NytimesKrugman

ヤレヤレ。FRBの各部門について結構いい記事が出ていると思ったら、ジョン=ヒルゼンラスとやらがこんなこと言ってやがる。

「FRBは、他のどんな機関よりも経済問題を解決する優れた手段がある。かのバーナンキが2002年に有名な演説で打った様に、デフレとか賃金や価格が下落ともなればお札を印刷してそれを退治するくらいの力がある」

だが、中央銀行の持っているツールなんて、失業率を減らすにはあんまし向いてないんだよな。そういうのは、完璧に財政政策、規制、世界的な需要などの要因の範囲で影響を受けているんだから。

すまないんだけど、完全に間違ってるんだよ。問題は、下限0って時にFRBが総需要を増やして事態に終止符を打つことが出来るのかどうかってことなんだよ。そんなことが出来るってのならデフレも失業も解決出来るってことなんだけど、仮定はあくまで仮定。

ある意味、バーナンキの言っていることの問題って、需要を増やすだのデフレ退治だの軽々しく言っているってことなんだよ。確かにFRBはお札を刷れるけどね、それは価格が下落しそうなモノの供給を増やそうってハナシでしかない。

しかし大昔に言っておこうかと思ったことなんだけど、短期金利がゼロに近くなるって時にはこんな都合のいいハナシなんて巧くいかないんだよな。

ちょっと考えて欲しいんだけどさ、FRBがお札を多く刷って短期国債を買うとかして公開市場操作なんてやったら、債券や現金が不完全代替であるだけ短期利率に響くのが常なんだよ。現金の利率は下がるってことは、言い換えれば直接支払いを行うために使用できる何かが増えるって訳で、それこそが流動性の上昇ってことになっちゃう。

だけど、利率がゼロ近くって時に債券を買ったりお札を刷ったりしたところで、みんな流動性が飽和状態なんだよね。こうなっちゃうと価値を保持するために現金を持っているってことになっちゃうし、それが債券だったとしても違いは無いのだから完全に代替するってことにもなる。その時点で公開市場操作をやらなかったとしても、何の影響も無しに取っ替えられちやうんだからね。

公開市場操作なんてどうだって良かね?ヘリコプターからお札ばら撒けば??ウーム、現金と短期国債が等価だってこと忘れてない?そうなると、ヘリコプターからお札をばら撒くのって、一時的な減税の様なものだったりするんだよね。で、リカードの等価原理に沿って言うとね、それって詰まるところ更なる減税とかを期待して貯蓄に向かっちゃうのよ。

自分の簡単な1998年モデルでも、金利がゼロに等しくなってこれ以上下げられないって時にFRBが出来るのはたった一つ──将来的に多くのお札を刷るってことをシッカリ公約するってことしかないんだよね。

実のところ、長期国債が短期国債を完璧に代替してくれるってんじゃないから、事はもっと複雑な訳。そうなんでFRBは、長期の満期商品を買い入れて少しは景気を引っ張ることくらいは出来る。でも常々思うんだけどさ、バーナンキってその有効性を大袈裟に喧伝してるんじゃね?注目すべきことに、バーナンキって件の演説で、2年もの国債の利率の上限を設定するって幾分ながら具体的な提案をしていたんだけど、その利率が0.67%しか無いって御時世でさその目標を実現するのに幾ら要るんだ?

兎に角、出発点に戻るとだな、2年以上も流動性の罠に悩まされているのに、ウォール=ストリート=ジャーナルが未だ以ってどうして利率の下限が0を下回らないって根本的な問題ですら理解できてないらしいってことなのよ。


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