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Tohazugatali Economic Review

1337とはずがたり:2010/02/21(日) 00:20:49

造幣局 十円玉用「種印」づくり 顕微鏡越し 硬貨支える職人技
http://www.sankeibiz.jp/business/news/100220/bsc1002200502005-n1.htm
2010.2.20 05:00

 「平成二十二年」と刻まれた新しい硬貨づくりが、造幣局(大阪市)で本格化している。工場は機械化が進み、製造ラインが目を見張る速さで動く。だがその陰で、機械にはまねできない精巧な職人技が生きていた。

 全国で流通する一円から五百円までの硬貨の約6割をつくっている大阪市北区の貨幣工場。「圧印機」からピカピカの十円玉が次々と打ち出されてきた。円形に整えた青銅に表裏のデザインを刻み込む最終工程。けたたましい音とともに、毎分約750枚もの硬貨が誕生する瞬間だ。

 工場から数百メートル、一転、音のない作業部屋がある。「装金極印(そうきんこくいん)課」。職員の木村好隆さん(56)が顕微鏡で「平等院鳳凰堂」を凝視していた。十円玉の図柄だ。圧印機にはスタンプのような刻印用の金型「極印」が必要で、その基となる「種印(たねいん)」をこの部署でつくる。

 特殊鋼製の種印もおおよそ機械で製造する。だが機械の性能上、図柄の細部まで鮮明に表現するのには限界がある。特に直径23.5ミリの中に鳳凰堂を描く十円玉(表)では輪郭がぼやけてしまう。それを手作業で彫り直すのが木村さんたち。偽造防止のためにも欠かせない工程だ。

 顕微鏡越しに、木村さんが鳳凰堂の石段を彫る。とがった先端部は直径0.1ミリ以下、縫い針より細い工具を握る。その手に血管が浮かぶ。工具の動きは微妙で、はた目には確認できないほど。音も立てず、室内には空調の鈍い音だけが響く。

 顕微鏡の中をのぞかせてもらった。肉眼では分からなかったが、修正前と後の種印はまったく違うものになっていた。石段に輪郭が生まれ、鳳凰堂全体も浮かび上がっているように見えた。

 鳳凰堂の最大の難所は欄干と屋根。一部分だけで1日が過ぎることも。一つの種印を完成させるまで、息を殺しながらの慎重な作業が最低2〜3週間続く。

 こうしてできた種印から圧印機に取り付ける極印を複数製造。表と裏で一組の極印から、私たちが手にすることになる硬貨が数十万枚刻まれる。

 木村さんは約35年間この作業を続けてきた。同僚3人は30代と40代。「口で教えてもらってできるもんじゃない。人の作業を目で見て、自分で考えて、技を磨いてほしい」。定年まであと4年。作業時と同じ真剣な表情で後継者への思いを口にした。

 硬貨づくりは年々機械化が進む。だが「より鮮明な図柄」を追求する職人技は、今後も替えがきかないのだという。「機械でできないことを表現するのが誇り。十円玉の見方、変わりましたか?」。仕事を終えた木村さんにようやく笑みが浮かんだ。


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