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Tohazugatali Economic Review
1126
:
とはずがたり(3/3)
:2006/03/07(火) 17:00:40
>>1124-1126
博士課程の学生で顕著な「自動車研究離れ」
昨年9月、久しぶりに米国に行ってきた。さすがに同時多発テロ直後よりは雰囲気も良くなったし、ハーバードやMITやウォートン校で古い知り合いと話せたのも楽しかったが、ある種の違和感も残った。それが、「米国の経営学はローカル化していないか」という冒頭の話である。
筆者は今回、ここ20年ほど続けているハーバードやMITやペンシルベニア大との自動車国際比較プロジェクトを再始動させることを一つの目的に渡米した。現地では3校の研究仲間とミーティングを開き、3日間で20人以上の研究者と話をした。その結果、米国のトップ・スクールでは、研究対象の産業がかなり絞り込まれてきている、という兆候が浮き彫りになった。例えば、ハーバードやMITの経営博士課程には、自動車産業を研究する博士課程の学生はもはやいないという。米国で共同研究をする場合、博士課程の学生がいないというのは大きな障害だ。比較プロジェクトそのものは動きだしたが、若手の「自動車研究離れ」は依然として不安材料である。こうした現象は、私の知る限り、欧州の主要大学ではあまり見られない。
では彼らの研究関心はというと、ソフトウエア、インターネット、ヘルスケア(医療)、バイオ系(生命科学)など、いわば「アメリカの得意分野」に集中しているようだ。確かに、これらの分野では、若手が育ち着々と成果も出ていて圧巻だ。半面、かつては強かった自動車、工作機械、繊維、家電、プロセス系などの研究はあきらかに停滞している。
MITでも事情は同様。M・クスマノ教授は、80年代は日本自動車産業研究、今はソフトウエア分析のベストセラーで知られるが、彼も何かにつけて「もう自動車研究はやめたよ」と筆者に言い放つ(しばしば偽悪的言動をするが実はナイスガイだ)。コンピュータ開発の国際比較から「技術統合」概念を提唱したM・イアンシティも、「破壊的技術」(日本企業の過剰設計問題にこそ応用できる概念)のC・クリステンセンも、「オープン・イノベーション」のH・チェスブロウも、もはや本格的な国際比較研究はやっていないようで、面白いが米国ドメスティックな研究に傾斜しつつあるように見える。
アメリカ経営学が自国中心主義なのは今に始まったことではないが、それにしても80年代にはもっと日米国際比較研究の気運が高かった。確かに、単に日本が軽視(パッシング)されている、という面もあろうが、それ以上に、アメリカの経営学の研究対象が、ある意味「ローカル化」しているということではなかろうか。そして、まさにグローバル化という時代だからこそ、そうなりやすいのではないだろうか。紙数も尽きたので、次回は、筆者がなぜそう考えるかをお話ししよう。
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