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Tohazugatali Economic Review

1029とはずがたり(2/3):2005/12/09(金) 20:42:17
 「敵の敵は味方」

 財産権があるというこれまでの主張が次第に認められ、猶二には「追い風」が吹いているように見えるが、いまひとつ世論の支持が広がらない。猶二の主張の中に限界があるからだ。

 昨年発覚した西武鉄道の総会屋事件後、兄の義明は、康弘と猶二にコクド株などの財産を子供の数に応じて「3(義明)対2(康弘)対1(猶二)」で分けようと話し合っていた。その最中に、株式偽装が発覚して協議が中断。そこに乗り込んできたみずほコーポレート主導の西武再建策は猶二にとって、株主であるはずの自分を無視して進み、「火事場泥棒ではないか」と映った。本来は温厚な性格の猶二が「身内の争いをさらして恥ずかしい」と思う法廷闘争にまで突き進んだのには、そんな事情がある。

 その主張はどうしても相続問題に傾きがちで、公共交通網としての西武鉄道をどう再生するのかという経営ビジョンには乏しい。ここが彼の最大の弱点だ。

 その猶二がいま、あれだけ敵視してきたはずのみずほコーポレート銀行を、西武の「ステークホルダー(利害関係者)」と認め、話し合いたいとさえ考えている。

 「後藤さんと、みずほは、うまくいっていないようですからね」

 猶二には、みずほコーポレートの副頭取から送り込まれた後藤高志西武社長が描く再編策は西武グループの簒奪としか映らない。後藤が古巣と折り合いが悪いのなら、そこと手を組みたい。「敵の敵は味方」である。

 ここは説明が必要だろう。

 消えたはずの案が復活

 みずほ主導で進むかに見えた西武グループの再編策だったが、後藤は5月に社長就任後、古巣とは微妙な軌道修正をはかった。みずほ主導の経営改革委員会(諸井虔委員長)が3月にまとめた「西武+コクド+プリンスホテルの合併案」を葬り去り、「西武ホールディングス」という持ち株会社を設け、そこに西武鉄道とプリンスホテルの両社をぶら下げる計画を打ち出したのである。持ち株会社にはサーベラスと日興プリンシパル・インベストメンツが1600億円出資し、資本増強をはかる計画だ。

 後藤が掲げた持ち株会社案は1月、諸井の経営改革委員会の中で有力視されていた。ところが、みずほの強い反対にあい、最終答申にある3社合併案に収斂していった経緯がある。その消えたはずの持ち株会社案を後藤が再び持ち出したことに、みずほコーポレートの斎藤宏頭取は、おそらく大いなる疑問を感じたことだろう。

 みずほ側は8月ごろ、「なぜ持ち株会社方式なのか」と問いただす膨大な質問を西武に寄せた。これに対し後藤は、JR西日本の列車事故を教訓に考えるようになったとして、

 「労組や人事制度が違う各社をそのまま一体化できない。公共性が高く安全第一の鉄道と、ホテル・リゾート業は性格が違う」

 と、合併案を否定する理由を挙げた。それでも疑念が収まらない斎藤に対して、最終的には金融庁が矛を収めるよう促し、一応の落着を見た、という。

 西武側はこのやりとりを否定するが、事情を深く知る後藤の同志は、一連の経緯を認めた上で、

 「後藤さんには友だちがたくさんいて、そうした人たちが間に入って取りなしてくれた、ということでしょう」

 と言葉少なに語る。

 後藤の持ち株会社案の主張はそれなりにスジが通っているように見えるが、サーベラスと日興プリンシパルを大口出資先に決める入札で、選考から漏れた陣営からはこんな疑念が出ている。

 「厳密な資産査定(デュー・デリジェンス)をさせてくれるよう要望したが、西武側に断られ、当社は降りた。我々の見立てだと、資産の劣化が意外に大きく、少なくとも3000億円のニューマネーが必要。日興プリンシパルとサーベラスの1600億円はあまりに小さく、十分とは言えません」


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