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金融機関観察スレッド
3313
:
チバQ
:2021/10/25(月) 15:24:23
◇リーマン・ショックで巨額損失
ところが、そのビジネスにとてつもない逆風が吹いた。08年のリーマン・ショックと、それに至る国内外の金融市場の変調である。不動産関連の投融資で、瞬く間に損失が膨らんだ。赤字を穴埋めするため、旧長銀から引き継いだ内幸町の本店ビルを売却した。
08年11月、ポルテ社長は引責辞任し、八城氏が一時、再登板した。09年3月期から2年連続で1400億円台という巨額の連結当期(最終)赤字を計上した。リテールバンキング路線はおろそかにされ、個人客はすでに離れていた。あおぞら銀行(旧日本債券信用銀行)との合併を模索したが、破談になった。
この間、新生銀行への公的資金投入で国が保有する優先株が普通株に転換された。同様に経営破綻して公的資金を投入されたあおぞら銀行など他行は、業績が上向くなかで優先株を買い戻したり、普通株に転換された直後に国が株式市場で売却したりして、国の普通株保有は回避されていた。
ところが新生銀行は、業績が悪く、株価も著しく低かったため、優先株の買い戻しや、市場での普通株売却ができなかった。国が普通株を保有し続け、議決権を持つ特異な形態になったのだ。
◇消費者金融、信販業務で稼ぐ構図
新生銀行は、八城、ポルテ体制時代に、買収により消費者金融、信販といった事業に参入していった。04年に信販会社のアプラス、08年に消費者金融のレイクを買収し傘下に収めた。この多角化だけは成功したと言える。いまや、新生銀行の連結利益はほぼこの2社が生み出しているからだ。
法人との取引や、リテールバンキングが自滅した形になった銀行業務はいまどうなっているのか。「ノンリコースローン」と呼ばれる不動産関連の融資や、そのローン債権の切り売りなどで利益を稼いでいるが、「きわめて限定的な業務」(大手銀行幹部)とみられている。
その一方で、人材の外部流出は続いている。「この数年、リストラが一段と鮮明になっていた」(新生銀行関係者)という。当然の結末と言わざるを得ない。
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