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金融機関観察スレッド

3086とはずがたり:2018/05/22(火) 20:23:54

地銀に勤めている学校の先輩などの話を伺うと、限られた地域で営業している地方銀行の借り手というのは、お互いに情報交換しています、業界組合や法人会、商工会など、金融機関の貸出金利などの情報は共有化され、また、地元密着であるがゆえに、各行、平等な金融サービスを提供しなければならない、という呪縛が強いのだそうです。

だから、事業融資でも、事前にお宅は危険だから上げる、といったこたが出来ないし、メガバンクなどはさっさと融資を引き上げるので、それが倒産の引き金になったりするという現実があります。

そして、個人向け貸付金の代表的な住宅ローンとなると、借り手を差別することは、ほぼ出来ません!

だから「信用リスクに応じた金利設定」が出来ないから、様々な「優遇金利(措置)」や「例外」を用いる訳で、実際に信用リスクが貸出金利という数字に反映するところまではいっておりません。

そして、多くの地銀のメインの貸出先であるのは、地方公共団体向けの貸付金であり、多くは10年で、0.2?0.5%な訳ですが、スルガ銀行は、こういった低金利の貸付金をやっていない、という点がポイントになります。

ここまできたら、本質的な利ざやがどうなっているのか、そこを考えて見たいと思います。

利ざやとは、経費率ですよね。スルガ銀行は、確かに貸付金の金利が高いのですが、他の地銀と同じように経費を掛けていたとすると、最終的な収益性は低くなってします。

で、確認して見ますと、総資金利ざや(経費差引後の利回り)で見て見ますと、地銀平均が0.19%に対して、スルガ銀行は1.55%もありまして、約8倍の収益性がある事がわかります!

利ざやって、いろんな指標があって分かりにくいんですけど、金融庁のレポートによく出てくるOHR(オーバーヘッドレシオ)という指標を使います。

これは、業務粗利益÷経費(人件費+物件費+租税公課)の比率でして、これだと、地銀平均が68.3%に対して、スルガ銀行は42.6%です。

OHRを元に「100円粗利あたり、いくら経費がかかったか」で考えれば、スルガ銀行は100円の粗利を稼ぐのに42円の経費なのに対し、他の地銀平均は68円も!かかっているということになります。

金融機関というのは「規模の経済性」が働きやすい業種です。

規制業種でもあるので、どんなに規模が小さい地銀でも、システムや規制対応の経費というのは、固定的に掛かりますし、規模が大きくなれば、経費率はさがっていく傾向にあります。

スルガ銀行は、総資産4兆3千億円ですから、地銀の規模としては中規模です。

でも、40%台のOHRというのは、メガバンクである、三菱東京UFJ銀行や、三井住友銀行に肩を並べる水準であり、みずほ銀行より上です!

そしてこれは、スルガの効率性が高いというのではなく、売上が大きい(貸出金利が高い)ことによる要因あるという事が、最も大切な点だと、僕は思います。

こう見てきますと、収益性指標でスルガ銀行が優れていることはわかりますが、銀行業の場合、貸し倒れが起きた場合には、損益計算書の下で「与信費用」(貸倒損失)が差し引かれることになります。


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