したらばTOP ■掲示板に戻る■ 全部 1-100 最新50 | メール | |

金融機関観察スレッド

2933とはずがたり:2017/07/10(月) 13:47:10
劣化する銀行!新しい金融行政で「バンカーが復活する日」
http://president.jp/articles/-/18458
2016.7.17
ジャーナリスト 山口 邦夫
PRESIDENT Online

リスクがとれるバンカーがいなくなった
「バンカーがすっかりいなくなり、バンククラークだけになってしまった」

今から25年ほど前、バブル経済の崩壊から間もない頃、勝ち組と目されていた都市銀行の頭取が幹部行員に漏らした言葉である。

バブル期は不動産担保を持つ融資先に銀行が我先に貸し込み、土地神話の下に莫大な収益を上げた。冷静な審査の必要性を訴える行員は傍流に追いやられた。こうして、スキル、ノウハウ、使命感を備えたバンカーが姿を消し、ルーチンワークをこなすクラーク(事務員)が圧倒的多数派となった。


『捨てられる銀行』橋本卓典(著) 講談社
そしてバブル崩壊後、不良債権処理に苦しみ抜くことになる。

バブル期の「リスクは存在しない」から不良債権問題後の「リスクはとらない」へと銀行のスタンスは極端に振れたが、ともに顧客不在の銀行の自己都合がベースにあったと言わざるを得ない。

1999年に導入された金融検査マニュアルが、金融システムの硬直化を招く一因となった。財務情報一辺倒で融資の可否を判断し、取引先業の成長可能性など定性的情報に目を向けない、無機質なスタンスが主流となった。小渕、麻生政権下で行われた信用保証協会の100%保証付き融資もあいまって、銀行の目利き能力は劣化し、特に地域金融機関は存在意義を問われる状況に陥っている。

金融庁の検査で問題点を指摘されないこと。これを最優先してきた結果、ものを考えない地域金融機関が圧倒的多数を占めてきた。その結果として、地方経済が活力を失い、経済全体の沈滞を招いているのだ。

トップの問題意識とリーダーシップ
この本の副題はいささか長く、「型破りのエース森金融庁長官が進める大改革は何を目指すのか?」とある。

昨年7月に金融庁長官に就任した森信親氏が打ち出した金融行政は、従来路線からの大転換を迫るものだった。同9月に公表した「金融行政方針」の具体的重点施策として「企業の価値向上、経済の持続的成長と地方創生に貢献する金融業の実現」と明示されている。

森長官が描く地域金融機関像は、金融検査マニュアルの呪縛から抜け出し、顧客である地元の中小企業と向き合う銀行。事業の内容、将来性を見極めた取り組み、単に融資を行うだけでなく、顧客が抱える課題の解決に協力し、事業継続、事業再生を手助けする。要は、地元の中小企業に何を提供できるか、役に立つ銀行になれるかどうかであり、この目標に向けた自律的な取り組みを促している。

中小企業側にも低金利、担保融資に終始する金融機関に対する不安感を募らせており、差別化手段が低金利融資のみにとどまる限り、信頼感は得られない。

この本では、創意工夫を凝らして顧客からの信頼を高めている稚内信用金庫、北國銀行など4つの地域金融機関の取り組みがモデルケースとして紹介される。営業ノルマを撤廃する、顧客満足度を人事考課に生かす、地域の産業構造転換を主導するなど、具体的な施策は多岐にわたる。顧客と向き合い、信頼を高めるサービスを提供することで、利ザヤの改善を現実のものにしている。

これらの金融機関に共通するのは、トップの問題意識とリーダーシップの強さだ。その他大勢の金融機関が従来型の思考からいかに抜け出し、顧客の役に立つ銀行に変身できるか。まずは、トップ自らがバンカーとしての気概、矜持を持っているかがポイントになってくるだろう。

また、新機軸を打ち出した金融行政が今後も持続すること。これが、役に立つ金融機関が根付くために不可欠な条件となりそうだ。

そして、地域金融機関が機能不全のままでは、いかに金融緩和を推し進めても効き目があるわけがない。参院選圧勝でアベノミクスなる政策のアクセルを踏み込む前に、政治家には現状を認識してほしいものである。


新着レスの表示


名前: E-mail(省略可)

※書き込む際の注意事項はこちら

※画像アップローダーはこちら

(画像を表示できるのは「画像リンクのサムネイル表示」がオンの掲示板に限ります)

掲示板管理者へ連絡 無料レンタル掲示板