ドイツ銀行とUBSグループ、ロイヤル・バンク・オブ・スコットランド・グループ(RBS)は、債券やデリバティブの取引システムを手掛けるトレードウェブ・マーケッツの少数株主持ち分の売却を検討している。事情に詳しい複数の関係者が明らかにした。
ニューヨークに本拠を置くトレードウェブの過半数株式は金融情報サービス会社トムソン・ロイターが所有し、残りは金融機関が保有している。協議は非公開だとして関係者の1人が匿名を条件に明らかにしたところによれば、買い手候補が欧州の複数の銀行に持ち分売却について打診しており、その金融機関の中にはクレディ・スイス・グループやバークレイズなども含まれる。ドイツ銀とUBS、RBSはどう対応するか判断しようとしているという。
関係者によると、協議は初期段階にあり、トレードウェブはバンカーをアドバイザーに起用していない。持ち分売却は同社の新規株式公開(IPO)につながる可能性もあるという。トレードウェブの広報担当、クレイトン・マグラティ氏はコメントを控えた。
ドイツ銀など欧州の銀行はマイナス金利や資本基準の厳格化、トレーディング収入の落ち込みを受け、ここ数カ月に事業縮小に動いており、利益低迷の中、部門売却や人員削減を進めている。ドイツ銀は今週、財務力をめぐる臆測に歯止めをかけるため、英国の保険事業の売却に合意した。ドイツ銀とUBS、RBSの担当者はコメントを控えた。
ブルームバーグ・ニュースの親会社ブルームバーグ・エル・ピーは、投資家と銀行の間の債券とスワップの取引関連サービスや、投資家への金融データとニュースの提供で、トレードウェブとトムソン・ロイターと競合関係にある。
原題:Deutsche Bank, UBS, RBS Said to Mull Selling Tradeweb Stakes(抜粋)