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金融機関観察スレッド

2733とはずがたり:2016/10/01(土) 20:08:04
>>2732-2733
年限を長くすればするほど国債需給以外に人々の物価観や成長率見通し、リスクプレミアムなどの要素が増え、制御が効かなくなる。

他の中銀と同様に、日銀内でも「中央銀行が長期金利をコントロールするのは不可能」(別の幹部)との考えは根強く、当初は5年など中期金利をマイナス水準に誘導することも検討対象に挙がったようだ。

それでもマイナス金利導入以降、イールドカーブを大きくフラット化させた成功体験に加え、長期金利という代表的な金利指標をゼロ%に設定する「わかりやすさ」が10年という選択につながったとみられる。

ある日銀関係者は、世界的に超低金利環境にある中で、現在の為替市場が注目する内外金利差は「過去に言われていた2年などでなく10年」とし、「10年金利を明確なプラスにしないことで、円高を回避する狙いもあるのではないか」と解説してみせた。

<金利と量の併存>

並行して日銀執行部は、3年半の黒田緩和の効果と影響を「総括的な検証」として9月の金融政策決定会合で議論できるよう、政策委員の根回しに動く。

「量」の効果について、強い確信を持つ複数のボードメンバーの動向が、YCC実現への大きなポイントだった。

複数の関係筋によると、行き過ぎたイールドカーブのフラット化が「検証」の大きなポイントとなり、その修正が様々な観点から必要である、ということに関して、理解が得られたという。

その結果、21日に公表された「総括的な検証」では、イールドカーブのフラット化の効果と金融面への影響について「経済への影響は、短中期ゾーンの効果が相対的に大きい」「広い意味での金融機能の持続性に対する不安感をもたらし、マインド面などを通じて経済活動に悪影響を及ぼす可能性がある」ことが明記された。

消費者物価上昇率の実績値が安定的に2%を超えるまで、マネタリーベースの拡大方針を継続する新たなコミットメントを導入するとともに、国債買い入れにあたっては保有残高を年間80兆円増加させる現行ペースをめどとすることも明記した「長短金利操作付き量的・質的金融緩和」の導入が賛成多数で決まった。

<市場との対話、模索する日銀>

ここまでの過程をみると、もう1つ大きく変わったことがある。それは超大国による「衝撃と畏怖」戦略ばりの「サプライズ路線」を大幅に転換し、事前に大きなヒントを市場に与えて、日銀の意図が正式発表時により浸透しているということを狙った「新戦略」だ。

総括検証の総裁指示を公表した7月会合以降の市場の混乱も見越し、見解を収れんさせる意図も込めて9月に黒田総裁と中曽宏副総裁の講演を相次いでセット。

総裁と副総裁の講演で、イールドカーブの過度なフラット化が保険・年金などを含めた「広い意味での金融機能」に悪影響を与える可能性に言及。金融仲介機能への影響を認め、そうしたコストに対応する必要性を示唆した。

それでも金融界に疑心暗鬼が残る。日銀会合直前の9月中旬に都内で開かれた地銀と金融庁の幹部会合。

ある地銀のトップが「マイナス金利政策により、貸出金利ざやの縮小、国内債の利回り低下など収益環境は厳しさを増しており、長期化すると金融仲介機能に影響を及ぼしかねない」と警戒感をあらわにした。

そして、日銀と市場の「神経戦」は、21日の新スキーム発表後も展開された。ゼロ%がターゲットの10年国債利回りJP10YTN=JBTCは28日、マイナス0.085%まで低下。日銀がどこまで「幅」を許容するのか、市場による手探りの確認作業が続く。

複数の日銀関係者は、20年から40年の超長期ゾーンについても、21日の新スキーム発表直前のイールドカーブが当面の理想的なかたちで、それ以上のスティープ化は望んでいないと述べる。

しかし、それも銀行サイドからすれば「入札で購入して、オペで超長期の買い入れを絞られると、大きな損失が出てしまうので、当面は警戒しながらの展開になる」(国内銀関係者)ということになる。

次の緩和はいつなのかも含め、仕切り直した日銀と市場の「対話」は始まったばかりだ。

(日本語ポリシー・チーム 編集:田巻一彦)


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