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金融機関観察スレッド
2300
:
チバQ
:2012/09/12(水) 22:58:28
http://www.kobe-np.co.jp/rentoku/keizai/201206ketsudan/06.shtml
決断のとき 運命の合併 みなと銀行誕生
(6)使命共同体
新たな地元密着求めて
入行式で尾野俊二頭取(右)と向き合う新入行員ら。地域を支える金融マンの誕生だ=2012年4月2日、神戸市中央区、みなと銀行(撮影・大山伸一郎)
インドネシア・ジャワ島西部のバンドン市。今年3月、赤穂市の漁網メーカー、桃井製網の現地工場に、みなと銀行頭取の尾野俊二(61)の姿があった。
約800人が働き、現場は活気にあふれる。案内した社長の桃井一光(53)は声を弾ませた。「はるばるインドネシアまで頭取に来てもらえた。兵庫の地銀と地元企業のつながりを感じた」
地銀といえども、単に資金を貸すだけでなく、海外進出などのニーズをつかみ、対応する力が求められている。中小企業の海外進出は加速し、神戸商工会議所によると市内中小企業の3割以上が海外展開している。問われるのは「地元密着」のあり方だ。
みなと銀は2月、アジアを目指す取引先の交流組織「アジアサークル」を創設した。コンサルティングや損害保険、人材紹介の計5社と提携し、支援体制を整えた。
◆
全107店の95%が兵庫県内にあり、地元金融機関で最大のネットワークを持つみなと銀。設立当時から社外取締役を務める太田敏郎(85)=ノーリツ名誉会長=は、毎月役員会に出席し、経営状況を見つめてきた。2012年3月期決算は依然、資金需要が低いままだが、「地元の中小企業をしっかり支える。厳しい時代になればなるほど、存在意義が高まる」。
中小企業経営者の悩みは後継者問題だ。技術やノウハウをどう次の経営者に引き継ぐか。みなと銀が最も力を入れる分野の一つが「事業承継」だ。後継者がいない企業の引受先を探すM&A(企業の合併・買収)仲介や、後継者が会社の株式を買い取るための費用の援助などを行う。企業側のニーズは高まっており、11年度の相談件数は180件に上り、09年度の4倍近くになった。
「使命共同体」。兵庫県立大客員教授(地域活性化論)の神田栄治(66)は地銀と地元との関係をこう例える。金融と産業は車の両輪。どちらが欠けても地域経済はうまく回らない。「中核地銀が地元企業とつながり、地域に資金を循環させてこそ、地域発展という使命は果たせる」
◆
4月2日にあった入行式で頭取の尾野は68人の新入行員に呼び掛けた。「地域と真正面から向き合い、地域になくてはならない銀行になろう」。阪神、みどり両銀行の合併によって誕生して13年。全行員約2100人のうち、みなと銀入行組は4割以上を占める。
尾野は1973年4月、神戸銀行(現三井住友銀行)に入行した。同年10月、神戸銀は太陽銀行と合併し、太陽神戸銀行となった。最後の神戸銀入行組として、みなと銀の姿を重ねる。「神戸銀は合併を重ねながらも、兵庫のために最善を尽くしてきた。私たちが描く理想像はそこにある」
阪神・淡路大震災、金融危機の激動をへて、兵庫銀行、みどり銀、阪神銀が合流、そこに神戸銀の伝統を引き継ぐ三井住友銀行の流れも注ぎ込む。「強い本店銀行」。かつて神戸銀行が果たした役割を見据えて、みなと銀の挑戦は続く。=敬称略、第3部おわり=
(松井 元)
〈神戸銀行〉
1936年、兵庫県内の「三十八」「神戸岡崎」「五十六」など主要7行が合併して誕生。県内で高いシェアを誇った。73年に太陽銀行と合併、太陽神戸銀行に。その後、合併を繰り返し、さくら銀行、三井住友銀行となった。
(2012/06/27)
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