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政権交替を検討するスレ

1601とはずがたり:2021/05/12(水) 00:36:23
>>1600
 だから、与党が立憲の提案をのんで修正に応じたことには驚いた。そして、筆者はその時に初めて気がついた。与党が「分断」を狙ったのは「立憲民主党と国民民主党」ではなく「立憲民主党と共産党」だったのではないかと。

 与党にとって「立憲民主党と国民民主党の分断を図る」ことは、特に参院で両党の勢力が拮抗(きっこう)していた1年前くらいまでは、おそらく一定の意味があった。…  しかし、昨年9月に立憲民主党と国民民主党の大半の議員が合流し、新たな立憲民主党が誕生した。…今や連合も「共産党と組むなら立憲を支援しない」などと言うことは、ほぼなくなった。いまさら両党の分断を図っても、せいぜい国民民主党から数人の離党者を出す程度にとどまり、与党にたいした「うまみ」はない。

 むしろ現在の与党の懸念は、立憲民主党と共産党の「共闘の構え」の方だった。4月の衆参3選挙で野党が統一候補を擁立して全勝したこと、特に保守王国の広島で勝ちきったことは、与党には脅威だったろう。…

 だが、こうした与党のもくろみは、結果として失敗に終わったと思う。

 立憲民主党は国民民主党とともに修正案に賛成し、共産党は反対した。与党の望む「野党の足並みの乱れ」である。だが、法案の賛否が分かれても、立憲と共産との間に亀裂が生じる気配は見られない。共産党の志位和夫委員長は、6日の記者会見でこう語った。

 「立憲民主党と態度が分かれたことは残念だが、『安倍・菅改憲』には反対するという大きなところでは(両党は)一致がある。大きなところでの一致を大事にして、総選挙に向けて共通政策にも明記し、戦っていく」

 ここへ来ての共産党の本気度には驚かされる。立憲、共産の両党は、2月の新型コロナ関連特措法の対応でも賛否が分かれた。今回同様、立憲が政府案を修正させて賛成に回り、共産党は反対した。それでも共産党は、野党第1党との違いを出すことを徹底的に避け、違いを受け入れつつ「野党ブロックを崩さない」姿勢に徹している。

 そう言えば立憲民主党の枝野幸男代表は、あの3選挙で野党全勝を勝ち取った直後の4月27日、共産党の志位氏、国民民主党の玉木雄一郎代表と個別に会談した。衆院選の候補者調整などについて協議したとみられているが、国民投票法改正案の扱いについても腹合わせを済ませていたと思われる。

 国民投票法改正案が今国会で成立の見通しとなったことを受けて「改憲に向け一歩進んだ」との声が聞こえる。だが、実態はおそらく逆である。

 法改正がこの時期までずれ込んだことで、次期衆院選までに改憲の発議が行われる可能性は消滅した。衆院選後、仮に自公両党が政権を維持したとしても、立憲民主党などは今回の修正案成立を受け、国民投票法の再改正が行われない限り改憲の発議を認めないだろう。修正案の「施行後3年をめどに法制上の措置を講じる」とはそういう意味だ。…

 自民党と立憲民主党という与野党第1党がともに、改憲の発議を急ぐことに重きを置かない判断をしたことで、維新や国民民主党の一部にみられる積極的な改憲推進派は、少なくとも当面、国会での存在感を大きく低下させることになるだろう。

 そしてこの状況は、改憲に断固反対の共産党にとっても望ましい展開だ。志位氏が記者会見で安易な立憲批判にくみしなかったのは、単に「共闘を崩さない」ためだけではないだろう。党としては原理原則を重んじ反対を貫いたが、一方で修正案が持つ肯定的な意味も理解しているのではないか。

 今回の国民投票法改正案の採決をめぐる動きは、国会闘争における野党側の「成熟」(ある意味ずるさでもあるのだが)を、改めて感じさせた。

 立憲民主党は法案修正によって改憲日程をさらに遅らせ、事実上改憲を喫緊の政治課題からはずした上で国民民主党の一部の造反の可能性を消した。共産党は原理原則を重視して「反対」を形に残しつつ、野党の共闘態勢を崩さないことを明確にした。

 政権に対峙(たいじ)する野党の「大きな構え」がここまで安定したことに、筆者は軽い驚きを覚えている。
 衆院選まで遅くともあと半年足らず。野党はこの構えを崩すことなく、結束して菅政権に対峙できるのか。…個々の政党、議員、そして支持者の胆力が問われている。


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