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政権交替を検討するスレ

1147名無しさん:2009/08/26(水) 20:08:29
>>1146
 小選挙区は自らの1票が死票になることを避けようと、有権者には「勝ち馬心理」が強く働く。政治学用語では「バンドワゴン効果」と呼ばれている。バンドを奏でた車に次々に人が集まり、乗り込んでくる光景にそっくりな現象だからだ。中選挙区制当時、よくいわれた「判官びいき」はすっかり影を潜めた。

 「バンドワゴン効果」の典型は93年のカナダの下院選だ。それまで与党で首相を送り出していた進歩保守党は、16%の票を獲得したものの獲得議席はわずかに二つに止まり、政党崩壊の道をたどった。日本で「バンドワゴン効果」が遺憾なく発揮されたのは05年の「郵政選挙」だった。それでも、自民党の獲得した票は3252万票と、得票率では過半数に至らなかった。半面、獲得議席は296と占有率では61%にも及んだ。逆に民主党の得票率は37%だったが、議席数は24%の113に過ぎなかった。いずれも死票の多い小選挙区制の特徴を「バンドワゴン効果」が加速させた。

 ところが、07年の参院選では自民党は大敗。連立のパートナー、公明党を加えても過半数に届かず、衆参で多数派が異なる「ねじれ国会」が出現した。07年の参院選での比例代表で各党が獲得した票を衆院選に当てはめてみると、民主党350議席に対し、自民党は89議席に過ぎなかった。だが、当時はこの結果がそっくり総選挙にも反映されるとにわかに信じる人は少なかった。自民党の衆院議員は参院議員とは異なり、自前の後援会組織を持っていると思われたからだ。カンバン(肩書、知名度)、カバン(選挙資金)と並ぶ選挙に勝利する「3バン」の一つ、ジバンの整備は日ごろから行われていると思われたからだ。麻生が就任以降何度か訪れた解散のタイミングをいずれも見逃したのも、党勢回復の可能性を信じたからだ。

 自民党が優位に立っていると思われたジバンの多くは、かつての結束力を失い、崩壊状況にあった。中核を担ってきたはずの土木・建設業界や農協、医師会などの業界団体には、予算削減と規制緩和により自民党離れが起きていた。自民党が得意とした所得再配分機能に傾斜した「分配の政治」は、バブル経済の崩壊で機能不全に陥った。象徴的なのは茨城県医師連盟だ。県内の七つの選挙区の民主党候補を推薦し、反自民を鮮明にしている。

 その一方で、ジバンでは劣勢だった民主党は連合との連携を強化し、全国的な党組織のネットワーク作りを進めてきた。「『自民党化』する民主党」は小沢一郎代表代行の代表当時から顕著になっていた。「『風頼り』の選挙戦術から脱皮しなくてはならない」が、小沢の悲願となっていた。政権交代を実現するには(1)与党の致命的な失政(2)政権担当能力を持つ野党の出現−−が必須条件だ。冷戦の終結と高度経済成長の減退で自民党政治の限界が指摘されながらも、「万年与党」を続けられたのは、強力な野党が台頭しなかったからだ。しかも、自民党は4年前の「郵政総選挙」で表れた「バンドワゴン現象」の再来を夢見て、党首を次々に代え、国民の期待をつなごうとした。「バンドワゴン効果」は、一時的にすぎないことを忘れてしまった。(敬称略)

2009年8月25日


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