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PC関連スレ

2113とはずがたり:2017/03/20(月) 19:18:41
>>2112-2113
最適な組合せを探す新しい計算機アーキテクチャーを開発

このたび、富士通研究所とカナダのトロント大学は、実社会における様々な課題解決のため、膨大な組合せの中から最適な組合せを探す新しい計算機アーキテクチャーを共同で開発しました。このアーキテクチャーでは、現実の問題への適用性を高めるため、CMOSデジタル技術を用い、自由に問題を扱うことができます。開発した技術の特長は以下の二つです。
一つ目は、「非ノイマン型(注3)処理でデータ移動を極小化する技術」です。ノイマン型(プログラム実行型)とは異なる非ノイマン型処理を使い、最適化問題の評価値が小さくなる方向に最適化の変数(ビット)の組を更新します。演算を行うためにまずメモリから問題をロードし、次に最適化の演算を必要なだけ行って、最後に結果を読み出します。演算を行っている間はメモリへの読み書きが発生しないため、その分の時間やエネルギーの損失が極小になります。また、基本回路間のデータ移動を抑えることにより、上位層へのデータ移動が殆どなくなります。

非ノイマン演算でデータ移動を極小化する技術
二つ目は、「基本最適化回路内の高速化技術」です。基本最適化回路では、確率論の手法を用いて、ある状態からより最適な状態への探索を繰り返し行います。複数ある次の候補に対するそれぞれの評価結果の値を一括して並列計算することにより、次の状態を見つけ出す確率を向上させます。探索の途中で膠着状態になった場合には、脱出確率を高めるための評価値に一定値を繰り返し加えることで、次の状態に移行しやすくします。これにより、高速に最適な解を求めることができます。

基本最適化回路の高速化技術
(注3)「ノイマン型」は、プログラムをデータとして記憶装置に格納し、これを順番に読み込んで逐次実行する計算方式で、現在の殆どのコンピュータが採用している。近年、コンピュータの性能の飛躍的な向上により、メモリから命令を読み出す速度が遅いという弱点が目立つようになり、別の基本設計を利用する「非ノイマン型」が検討されるようになった。脳神経回路をモデルとしたニューロコンピュータ、量子力学の素粒子の振る舞いを応用した量子コンピュータ、DNAを計算素子に利用するDNAコンピュータなどが非ノイマン型にあたる。
従来のソフトウェア処理と比較し、約1万倍の速度で動作

今回、1024ビットで表される組合せを扱うことができる基本最適化回路をFPGA(注4)に実装して評価を行ったところ、従来プロセッサで動作するソフトウェア処理に比べて約1万倍の速度で動作することを確認しました。
最適化演算を行う演算回路を複数用いて並列動作させることにより、現行の量子コンピュータより多様な問題が扱うことができ、扱える問題の規模や処理速度が向上できます。例えば、数千箇所ある物流拠点を最適化したり、限られた予算で複数のプロジェクトの利益を最適化する投資ポートフォリオを策定するなど、現在の汎用プロセッサでは手に負えない計算量の多い組合せ最適化問題を高速に解くことができるようになり、最適な意思決定を迅速に行うといった領域にICTの適用領域が広がることが期待できます。
富士通研究所では今後、開発したアーキテクチャーの改良を進め、2018年度までに、実社会の問題が適用できる規模である10万ビットから100万ビットの計算システムを試作し、実用化に向けて実証を進めていく予定です。
(注4)Field Programmable Gate Array。製造後に購入者や設計者が構成を設定できる集積回路。


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