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PC関連スレ
2060
:
とはずがたり
:2017/02/06(月) 19:42:57
K8の基本設計は初めからマルチコアが念頭に置かれていた。今ではスマートフォンのCPUでさえデュアルコア(CPUコアが2つ同じチップに集積されている)になっているが、2000年の中期ではかなり先進的なものであった。
デュアルコアになると総トランジスタ数は単純に2倍になるが、チップのサイズが2倍にならないのはプロセス技術が130nmから90nmに進化したからである。このチップをAMDはコンシューマーPC用のAthlon64X2とデュアルコアOpteronのブランドで真正マルチコアチップとして大いにプロモーションした。
一方、インテルは対抗策としてPentium 4コアをMCP(Multi-Chip-Package)に封止したPentium Dをぶつけてきたが、この製品は1つのチップにCPUを2個集積するのではなく、2個の独立したCPUチップを基板の上で接続しただけのものだったので、CPU同士、あるいはCPUからキャッシュメモリにアクセスする場合にいったんCPUチップの外に出なければならないことになるのでそれだけアクセス速度のペナルティーが生じる。結果的に総合性能ではAthlon64X2の敵ではなかった。AMDの攻勢に対しインテルが苦肉の策を繰り出してきたわけである。
Athlon64X2の性能は非常に高かったので、特に秋葉原の自作派ユーザーには圧倒的な人気があった。我々はこのCPUをマルチタスキングに最適なCPUと位置づけ、ゲーム、グラフィック処理、MP3音楽編集などCPU負荷の大きいアプリケーションソフトのベンダーと組んでプロモーションを行った。…
自作派の人たちには、Athlon64X2の生産過程で不良品になったチップを当時のドイツ・ドレスデンにある主力工場からわざわざ日本に送ってもらい、それをアクリル材に封止した携帯ストラップを作成して、リテール販売の時にチップにおまけとしてつけた。これは非常に評判がよく、後になってこのストラップがネットオークションで結構いい値段で売れられているのを見た時はさすがに驚いた。
AMDにとってまさに乾坤一擲のK8アーキテクチャはその持てるポテンシャルを目いっぱいに花さかせ、AMDの業績に大きく貢献し、株価もみるみる上がって会社中がその成功に驚喜していた。
確かに王者インテルのK8への対応は完全に後手に回っていたし、やることすべてが裏目に出ていた。しかし私はその中にあって心の奥では常に一抹の不安を感じていた。インテルは必ず逆襲に来る。その時は満を持して開発した非常に革新的な新しいアーキテクチャで、一部の隙もないほどの攻勢をかけてくるに違いない。これは長年インテルを相手に戦ってきた私の確信であった。 私の予感は2008年にインテルが発表したコアアーキテクチャで現実のものとなった。
[14] インテルの逆襲
2003年のOpteronの発表以来、2006年のデュアルコア製品の発表くらいまでの3年間はK8アーキテクチャはまさに無敵であった。K8アーキテクチャはAMDのPC市場での復権と、サーバー市場への参入を可能とした点においてまさに画期的な出来事であった。しかしマイクロプロセッサの王者インテルを相手とする技術競争はそんなに甘いものではなかった。K8の快進撃にインテルの最新アーキテクチャ"Core(コア)マイクロアーキテクチャ"が立ちはだかった(インテルの正式発表は2006年の第一四半期)。それまでの深いパイプライン構造と業界随一のプロセス技術(微細加工技術)を強力に組み合わせ、ひたすら動作周波数を上げていって他を圧倒するというネットバースト・アーキテクチャの限界を悟ったインテルは、数年前からイスラエルのデザインチームに全く新しいアーキテクチャの開発を急がせていた。その結果がコア・アーキテクチャである。
以下にコア・アーキテクチャの概要を示す。
・基本設計の一番の目的を、クロック周波数自体の向上から一クロック毎の性能向上に転換。
・コンピューターとしての性能を追求しながら、消費電力の低減も追及。
・当初から複数のCPUコアを実装することを念頭に基本アーキテクチャを最適化。
・最先端微細加工技術により可能となる比較的大きい内蔵キャッシュ(6MB)を搭載、そのキャッシュをL2キャッシュとして二つのCPUコアがシェアする効率の良いキャッシュ設計。
・消費電力を少しでも抑えるためにプロセッサコアの回路ごとのパワー・マネジメントの導入。
このようなアーキテクチャを見ると、インテルは明らかにK8を研究し、それを凌ぐCPUの設計を目指していたことがわかる。この設計チームが本国アメリカではなく、本拠地がイスラエルのデザインセンターであったことも興味深い。
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