これに対して、プロセス技術では常にインテルの一世代後を追いかけていたAMDは、インテルがBulkシリコンを使用するのに対し、SOI(Silicon On Insulator)ウェハを増産ラインに導入するという大きな賭けに出た。Bulkシリコンを使って微細加工をひたすら追求する(これには巨額な開発投資が伴う)インテルに対抗するために、AMDはMOSFET構造の下側に絶縁膜を形成するSOIと言われる特殊なシリコンウェハを使用した。SOIウェハは値段が高い上に、大量製品の基板材料としてはかなりデリケートなものであるが、"リーク電流を抑えながら動作周波数を上げる"、という点では効果がある。AMDは初期の130nmの製品ではかなり苦労したが、90nmへの移行のころには次第に量産ラインにうまく乗るようになっていた。