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PC関連スレ

2058とはずがたり:2017/02/06(月) 19:41:26
386から486に移行させる時もそうだったように、K7でAMDがシェアを取った時もそうだったように、見栄もメンツも捨ててしゃにむにインテルが一直線に走り始めるとどんなことが起こるか、長年の経験でそれをよく知っていた私は背筋に寒いものを感じた。インテルは本気なのだ…インテルはOpteronを排除しなければならない敵と認識した。インテルは必ずやってくる、それはもはや時間の問題だ。

しかしAMDもただじっと待っているだけではない。AMD各部門のするべきことは明らかだった。開発部隊は次の製品をどんどんロードマップ通りに完成させ、製造部隊は増加する需要にしっかり答え、我々営業・マーケティングはインテルが追い付いてくるまでにどれだけお客を取り込み、市場での地位を確固としたものにするかだ。私は、背後から荒々しい息をしながら必死に追いかけてくるすごい形相の猛獣をイメージした。

Yamhillの噂は正しかった。しばらくすると鼻の利くメディアがそういったプロジェクトがあることを嗅ぎ付けてインテルのプレス発表会などで質問するのだが、インテルの幹部はこれをなかなか認めない。インテルのジレンマは下記の通りだった。

1.x86の64ビット拡張を実装するということは、AMD64を認めることになる。CPUの王者のメンツがつぶれる。Opteronが市場でさらに地位を固めるとインテルがAMD互換機を出すことになる。
2.これを認めると、それでなくても市場浸透が遅れているIA64を殺すことになる。それでは今までの巨額の投資を回収できない。株主にはどう説明する?
3.マイクロソフトはもうすでに業を煮やしてAMD64を64ビットOSに採用してどんどん圧力をかけてくる。Opteronは市場受けがいいのでカスタマはどんどん増えている。そこに後発で参入するということはOpteronよりも安い値付けをしなければならない。利益率が下がる。
4.バックアップの開発は細々と継続していたとはいえ、まだ開発中の製品を量産までもっていくのには時間がかかる。しかもマイクロソフトが採用したAMD64との互換を取らなければならない。
2004年の1月、インテルの当時のCEOポール・オッテリー二はついにインテルがx86の64ビット拡張を行うことを公にした。株主相手のインタビューなので執拗に食い下がる質問者をのらりくらりと避けていたが嘘を言うわけにはいかない。2003年4月のAMD Opteronの発表に遅れること9カ月だ。ここでYamhillプロジェクトの存在を認めるということは、開発はかなり進んでいて製品発表ももうすぐだということであろう。いよいよインテルの猛追が始まった。

[12] 付け焼き刃だったインテルのEM64T

それでもインテルに対し優位性を保ったAMDのK8アーキテクチャ

インテルが秘密裏に開発を継続していたYamhillプロジェクトはいよいよ正式なものとなり、AMDのOpteronに1年遅れる形で2004年にEM64Tというx86の64ビット拡張命令を実装するアーキテクチャが発表された。細部は多少違うものの、インテルのEM64Tは蓋を開けてみればAMD64と同じもので、結果的にはインテルがAMDをコピーする形になった。その大きな要因となったのがマイクロソフトのAMDサポートへの決定であることは前述したとおりである。AMDにサーバー市場への参入を許すというビジネス上のリスクを低減するために、インテルはメンツを捨てて一気にx86の64ビット化へと舵を切った。

しかしAMDのK8アーキテクチャはAMD64というソフトウェアのアーキテクチャでの優位性に加えてハードウェアでの優位性も備えていた。AMDのK8アーキテクチャはK7の基本アーキテクチャをかなりの部分で踏襲していたが、大きく違ったのはメモリーコントローラーを内蔵したことだ。

従来のK7アーキテクチャでは集積度や歩留まりの問題などから、CPUが主メモリにアクセスする時のプロトコルを管理するメモリーコントローラー機能はチップセット側に持たせていた。これはインテルのアーキテクチャでも同じことである。ところがAMDのK8ではこの機能をCPUチップの上に集積するものとなっている。これにより従来ではCPUからメモリにアクセスする場合、"CPU→チップセット→メモリ→チップセット→CPU"という経路を取っていたのに対し、"CPU→メモリ→CPU"と劇的に短縮することができる。そのため、CPUのメモリ読み込み要求からデータ受け取りまでの遅延を大きく短縮することができるようになり、結果的にCPUを使ったシステム全体のスループット(とは註:処理能力)が大幅に改善される。これは大量のデータを高速に処理するサーバーのアプリケーションにおいては大きな優位性となったわけだ。

K8は、かつてDEC(Digital Equipment Corp.) で当時最先端だったAlphaアーキテクチャのチーフアーキテクトであったダーク・マイヤーがAMDに移籍するまで長年温めてきたサーバー用のCPUの要件をできるだけ満たすものとして開発されただけあって、インテルがにわか仕込みのEM64Tで追い付くのはそう簡単ではなかった。


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