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PC関連スレ

2055とはずがたり:2017/02/06(月) 19:36:05
一番強力なのはOpteronを使った成功例を集めてそれをいかにも最新のトレンドであるかのように宣伝することだ。いわゆる、有名人が登場し"私も使ってます"というCMのあの手法である。もっとも、BtoBの世界であるのだから有名タレントを使う必要はない。サーバー業界で先進的だと認知されているパートナーと組んで、そのパートナーのブランドを借りてAMD/Opteronのブランドを宣伝するのだ。英語ではPiggy Back(人の背中に乗っかるという意味)Marketingというクラシックな手法である。そんな状況でパーフェクトなパートナーが名乗りを上げた。サン・マイクロシステムズ(Sun Microsystems)である。SUNはその名が示す通り(SUN:Stanford University Network)シリコンバレーのど真ん中にキャンパスを抱えるスタンフォード大学(この大学のキャンパスは本当に美しい)出身のスコット・マクニーリーと伝説のエンジニア、アンディー・ベクトルシャイムが1982年に創立したワークステーション、サーバーのベンチャー企業である。

2010年にオラクルに買収されてしまったのでSUNという会社は今では存在しないが、創立からの20年は飛ぶ鳥を落とす勢いだった。インターネットが登場するあたりから早くからサーバー・ネットワークに目をつけ、独自開発の高性能CPU SPARCとUNIXベースの独自OS Solarisを武器にUNIXベースのサーバー市場では独り勝ちの一大勢力となった。しかし、市場全体が急成長するにしたがって次第にインテルCPU+WindowsサーバーOSの組み合わせのいわゆるPCサーバーにビジネスをじわじわと侵食されていった。結局サーバー市場の急成長を支えていたのはボリュームの大きい汎用低価格帯の市場であって、独自開発のプラットフォームで成長したSUNのコスト構造はそれについていけなかった。

事実、SUNはこの市場を防衛するためにCobaltというインテルCPUを使ったサーバーの会社を買収しインテルCPUの客になっていた。しかし、独自路線で時代の寵児となったスコット・マクニーリーにとってWintelの軍門に下るのは本意でなかったのは明らかだ。そこにインテルの宿敵AMDがOpteronという高性能CPUで市場参入したのだから、AMDとSUNが手を組むのは当然の成り行きだった。SUNはOpteronをベースにしたサーバーを完成させると猛烈な勢いで拡販を開始した。AMDにとってはパーフェクトなパートナーである所以だ。

この素晴らしい商材を得て、私の日本市場でのOpteronのマーケティング活動は大変にエキサイティングな経験であった。第一世代のシングルコアOpteronではなかったが、デュアルコアOpteron(CPUコアが二つ集積されている)になってOpteronの優位性が頂点に達する頃に、とんでもないエンドユーザーが現れた。東京工業大学の松岡聡教授率いるスーパーコンピューターのチームだ。松岡教授のチームのスーパークラスターTSUBAMEは2006年6月の世界のスーパーコンピューターのオリンピックと言われるTop500初登場でいきなり7位にランクされた(この辺の事情については裏話も含めて別記事を掲載予定)。

この事実はOpteronに大きなブランド価値を与えた。それ以来、Opteronはスパコンの市場では完全に市民権を獲得し、世界中でOpteronを使ったクラスターマシンが登場した。我々マーケティングの使命はこの成功を梃に他のサーバーメーカーと組んで他の大手エンドユーザーを取り込むことであった。

【番外編】Athlon64とコンシューマー市場のマーケティング
Opteronの発表の半年後、AMDは2003年9月にK8コア実装のPC用CPU Athlon64を発表した。その前にマイクロソフトがWindows XPを発表し、今までの32ビットに加えて64ビットのアプリケーションのサポートを開始していたので、AMDは64ビットWindowsをサポートするPC用のCPUとしてはインテルに先んじて一般PCユーザー向けのコンシューマー市場に参入したことになる。

Athlon64はその前に大ヒットしたK7コアのAthlonのアップグレードとしてのポジショニングで、マイクロソフトの64ビット戦略ともぴったりと一致したので大いに盛り上がると思ったのだが、実際はそう簡単にはいかなかった。一番の理由は、64ビットコンピューティングがPCの個人ユーザーに提供できる付加価値が明確でなかったことだあろう。サーバーユーザーにとってはネット上で級数的に増大する膨大なデータを処理するのに64ビットは必須であったが、個人PCユーザーレベルでは必要な性能を既存の32ビットコンピューターで実現可能なので64ビットの恩恵をはっきり感じることができない。当たり前といえば当たり前の話である。

我々はマイクロソフトとも協力して、音楽、動画編集、ゲーム、生産性などの切り口でどうやって64ビットの優位性を訴求しようかと頭をひねったが、なかなかうまくいかない。


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