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PC関連スレ
2049
:
とはずがたり
:2017/02/06(月) 19:29:31
今から思うと、K8の開発は多少の遅延があったにせよAMDとしては異例の早さで、私はその仕様と実際のチップのサンプルを見た時に、"本当にやっちゃったんだ…"という驚きと、高性能CPUの開発に執念を燃やしたカリスマ的リーダー、ダーク・マイヤーと彼のチームの鮮やかな仕事ぶりに心底敬意を表した。これで、長年AMDが夢見たサーバー市場に参入し、インテルを相手にもうひと暴れできるのだという興奮を感じた。同時に、AMDの営業部隊には今まで全然経験がなかったサーバー分野の技術、市場、トレンドについてトレーニングが急ピッチで行われた。
このころAMDは今までの半導体デバイス営業の方法をがらりと変え、サーバーシステムの営業の手法をどんどん取り入れるために、半導体メーカーではなく、Dell、HP、IBMなどといったPC/サーバーメーカーからどんどん人材をリクルートした。
それまでガチガチの半導体ハード営業であった私にとっては、全く新しい分野であり正直言って最初のうちは何をどうやれば良いか解からなかったが、トレーニングを必死にやったのが奏功して、1年経つうちには何とかカスタマーの前でプレゼンができるようになった。実際はOpteronという半導体デバイスの営業であるが、その半分はソフトウェア、システムレベルの話であった。 (私の場合、実はそのほとんどが完全な受け売りであったのであるが、"聞くは一時の恥、聞かぬは一生の恥"と割り切れば何とかできるものだという事を実感した。その時の経験は今でも役立っている。)
その頃サーバー市場はインターネットの普及で級数的に伸びてゆき、競争が激化していた。故に、カスタマーはインテルだけがCPUを独占する状態に大きな不満を抱いている。しかも、こともあろうにインテルが仰々しく発表したIA64のItaniumプロセッサは、その設計上の困難さからか、スケジュールが遅れに遅れている。ようやく最初の製品を2001年にリリースしたが、その性能は惨憺たるもので、Itaniumにコミットしたカスタマーたちは非常に憤慨していた。
これはマイクロソフトとて同じであった。と言うのも、インテル・HPとの付き合いでItanium にWindows NTを移植してはいたが、Itamiumの遅れで普及が進まず、一向に出荷台数が伸びない状況はサーバー市場に足がかりを決めたいマイクロソフトにとっては苦々しいものであった。市場の環境とK8の登場はまさに絶妙なタイミングであった。
…
[6] Athlon64・Opteron発表
Opteronに自信を見せるAMD - "さあ、早く売ってこい!"
AMDは満を持して(といえば聞こえがいいが、非常に野心的なプロジェクトだったので実際の製品のリリースにはいくらかの遅延があったと覚えているが、詳細は忘れてしまった)、AMD64を実装した最初の製品であるサーバー用のCPU Opteronを発表した。2003年の4月のことである。 戦略的配慮からサーバー用のOpteronを先にリリースし、クライアントPC用の製品Athlon64 を9月に発表した。 戦略的という意味は下記の通りである。
サーバーの世界では64ビットコンピューティングは大きな関心事になっていた。Intelの64ビットのソリューションは市場の受けが良くない状況で、AMD64は十分に差別化が発揮される製品となるのは明らかである。
それに比べて、クライアントPCでの64ビット化はユーザーへの価値の訴求がいまいちで、マイクロソフトもVistaを準備するうえで64ビットコンピューティングを前面に出すべきかどうかについてなかなか明確なメッセージが出せていない。
Intelのサーバー用CPU Xeonと同じように、OpteronとAthlon64は基本のCPUコアを共有しているので先にどちらの製品をリリースするかは製造上の問題は大きくない。
こんな状況で当時AMDのマーケティング部にいた私は、Opteronの市場開拓をするための戦略策定でとんでもなく忙しかった。また、前述したようにクライアントPCの世界しか経験していなかったのでサーバー市場を理解するための勉強も大変だった。しかも日本のサーバー市場は非常に保守的で新しい技術を積極的に取り入れる状況ではない。K6/K7をコンシューマー市場で売るのにあれほど難儀したのに、全く実績がないサーバー市場にAMD製品を拡販するのは大きなチャレンジだと思った。勝機はAMDのOpteronが競合インテルに対してどれだけ差別化された製品で賢くマーケティングするかにかかっている。
本社はOpteronにかなりの自信を持っていた。"これだけの製品を仕上げたのだからさあ早く売ってこい"、という感じで大きなプレッシャーを感じたが、同時に闘志が沸いた。さすがにインテルの64ビットに対し明らかに優位性があり、カスタマーへの浸透は理屈だけで言えば容易なはずであるが、これが実際にはそう簡単に行かないのがビジネスの不思議なところでもあり、面白いところでもある。
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