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PC関連スレ

2048とはずがたり:2017/02/06(月) 19:29:21

これらの状況を考えるに、AMDがインテル対抗軸としてPC市場だけでなく、今まさに64ビットに移行しようとしているサーバー市場に打って出るのは必然であったと思われる。x86命令セットを備える高性能CPUのベンダーとしての実力は既にPC市場で実証済みだ。あとはインテルのIA64と差別化したコンセプトをいち早く定義し、それを製品に落とし込み、いかに賢くマーケティングするかにかかっている。しかもそれが実現すれば、インテルが市場独占で荒稼ぎしているサーバー市場に手が届くことになる。AMDの将来を支える確固たる財務体質構築のための重要な足がかりの第一歩である。

嘗てDEC(Digital Equipment)社で業界初の真正64ビットCPU"アルファ"を開発したエンジニア達は続々とダーク・マイヤーのもとに集まった。彼らは週末も関係なく集まり、何度もブレーンストーム会議をやり、どうやったらこの素晴らしい機会をAMDのビジネスとして取り込めるかを昼夜話し合った。

その結果がAMD64アーキテクチャである。

[4] AMD64アーキテクチャとK8のハードウェアの特徴

"インテルをぶっ潰す"という思いを込めて、K8の社内での極秘開発コードネームは"SledgeHammer(スレッジハンマー:大型の鎚の意味)"であった。例によってこの極秘のプロジェクトは、AMDのマイクロプロセッサ設計エンジニアの精鋭部隊が集められ、基本アーキテクチャの構想から約4年の短期間でCPUの設計を終えた。その間、食いぶちのK7 Athlonの改良も進められていたのでエンジニアリングのリソースはカツカツであったが、前述したIntelの64ビットコンピューティング戦略IA64に対し、ダーク・マイヤーに率いられたAMDのチームは明確に差別化された素晴らしい製品を完成させた。その基本アーキテクチャはAMD64と命名された。以下にAMD64の概要を示す。

これまで32ビットであったx86命令を64ビット幅のデータやメモリアドレスに対応できるよう拡張した命令セットを定義。
x86命令セットを引き継ぎつつ64ビットへの拡張を行っているので、64ビットに拡張されたソフトウェアは高速に、32ビットのソフトウェアも従来に劣らぬ速度で実行することができる。
実装するCPUは同一コアでサーバー用のものとPC用のものを用意する。サーバー用CPUはUNIXおよびWindowsに対応、またPC用CPUはマイクロソフトが進めている64ビットWindowsに対応する。
このアーキテクチャが意味することは、野心的製品K7でインテル互換路線を捨てハードウェアでの独自性を打ち立て大成功した後に、ハードウェアでのみならず、ソフトウェアでもインテル互換を捨てるという大きなステップを踏み出すということである。つまり、それまでインテル互換品というイメージが付きまとっていたAMDが、本当の意味での独自のCPU経済圏を打ち立てるという画期的な意味合いがあった。 このアーキテクチャは過去のソフトウェア資産に対する互換性を継承しつつ、8ビット、16ビット、32ビットと順次性能を上げながら進化したそれまでのx86ベースのCPUのアーキテクチャの思想から考えると、至極自然かつシンプルなものである。AMDはこのアーキテクチャを実装したサーバー用CPUをOpteron、PC用CPUをAthlon64の製品ブランドで2003年にリリースした。
AMDはIntelが提唱する64ビットコンピューティングのIA64と対抗するブランドとしてその立場を明確に市場に打ち出せるように、アーキテクチャのブランドAMD64、製品ブランドOpteronとAthlon64のロゴマークを開発しマーケティング活動を開始。いずれも伝統的なAMDのロゴを頭にあしらい、その下に大きく数字の"64"と記した。このデザインは今でも個人的にはよい出来であったと思っている。

それまでのAMDの製品ブランドのロゴマークはどちらかと言うと統一性がなかったが、この時期にはAMDのマーケティングも洗練されてきた。

Opteron(オプテロン)の命名には"最適化(Optimize)"のOptとK7 Athlonの響きを継承する配慮がなされ、Athlon64はK7 Athlonの製品名に64を足した明確なメッセージがこめられた。

Opteronは独自のAMD64基本アーキテクチャに加えて、ハード面でいくつかの革新的な特徴を備えていた。以下にOpteronのハードウェアの特徴を示す。

AMD64命令セットを採用、UNIXとWindowsを32ビット・64ビットモード両方でサポート
3基のHyperTransport(ハイパー・トランスポート)インターフェース(これが超高速!!)
2・4・8ソケットのマルチプロセッサ構成可能なSocket940に対応
メインメモリとしてDDR SDRAM(ECCエラー補正機能サポート)
DDRメモリコントローラ内蔵 (これが高性能の大きな要因!!)
クロックスピード1.4GHzから世代が進むにしたがって3.2GHzまで発展
プロセスルール130nmでスタートし45nmまで進化


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