Linear Technologyは、営業利益率10%を超えれば優良企業とされる半導体業界にあって、常に40%を超える営業利益率をたたき出す“超”の付く優良半導体メーカーだ。同日開示された2016年6月期業績も売上高14億2393万米ドル、営業利益6億3355万米ドルと、営業利益率44.5%を誇る。
こうした超高利益率の事業を展開できる背景には、1981年の創立以来、貫いてきたハイエンドアナログに特化する独自経営戦略がある。同社最高技術責任者(CTO)Robert C. Dobkin氏も以前のEE Times Japanとのインタビューで「競合他社が作れるようなものは開発しない」と言い切るなど、自社の高い技術力をベースに、競合が追従できないハイエンドアナログIC領域に集中して事業を展開してきた。デジタル家電最盛期の2000年代はじめには、民生機器市場で独自性が発揮できないとし、当時主力用途だった民生機器向けのビジネスに見切りをつけて大胆に縮小するほど、独自性重視の姿勢を徹底している。