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鉄道貨物輸送研究スレッド

2869荷主研究者:2021/05/04(火) 21:21:21

https://www.sankei.com/premium/news/210327/prm2103270007-n1.html
2021.3.27 08:00 産経新聞
【深層リポート】貨物輸送担った秋田臨海鉄道廃業 脱炭素の時流も…間に合わず

秋田臨海鉄道がJR貨物と共用する秋田港駅(中央)。右に延びるのは南線、左に延びるのは北線=秋田市土崎港西(八並朋昌撮影)

 秋田港臨海部で半世紀にわたり貨物輸送を担った第三セクターの秋田臨海鉄道(秋田市)が今月末で廃業する。地球温暖化防止の脱炭素化もあって、貨物輸送をトラックから鉄道や船舶に転換する「モーダルシフト」が国内外で改めて注目されながら、その時流に間に合わなかった。

コロナ禍も影響

 「来年度は運輸収入がなくなる」などとして、同鉄道は昨年6月、今年3月での廃業を発表。出資者の秋田県も「取扱貨物は皆無となり、新たな荷主も見込めない」と追認していた。

 同鉄道の荷主は、平成20年から日本製紙秋田工場だけになっていた。その年間輸送量も紙需要の変化などで、7年前の約20万トンから昨年度は約7万5千トンに大きく減った。

 「業務効率化や関連事業で直近2年は何とか黒字だったが、今年度はコロナ禍で輸送量がさらに減るなどしてまた赤字決算だ」と同鉄道取締役総務部長の佐藤秀継さんは打ち明ける。

船舶との直結困難

 同鉄道は昭和46年、国内の鉄道貨物網と結ぶため旧国鉄や県、沿線企業が出資して開業。JR貨物の秋田港駅を起点に、南線と北線の計7・9キロで臨海工業地帯を結んでいた。

 開業直後、輸送量は年間約70万トンに上り、利用企業も13社を数えた。しかし、産業構造の変化や道路網整備によるトラック輸送の増加で、昭和60年以降は利用企業の撤退が相次いだ。

 平成になってトラック輸送を鉄道や船舶に転換するモーダルシフトが世界的に注目されるようになった。さらに秋田では秋田港を活性化する鉄道・船舶直結輸送の「シーアンドレール構想」が一時唱えられた。

 だが、埠頭(ふとう)に乗り入れていない同鉄道は船舶とのコンテナの積み替えが困難で、起死回生策が見つからないまま平成27年に埠頭側の北線2・5キロを休止。この時点で県は同鉄道に見切りを付ける形となり、新設の国際コンテナターミナルはトラック輸送のための道路整備のみを進めている。

 同鉄道を最後まで利用した日本製紙秋田工場の担当者は「臨海鉄道を使えなくなっても、工場から秋田港駅まではトラックで運びJR貨物を使う。鉄道貨物は距離が長いほどコスト面で有利。トラックが行きにくいところにもレール網があり、輸送手段の一つとして今後も利用する」と話す。

取扱量、採算以下に

 実は、秋田臨海鉄道の取扱貨物は新年度からゼロになるわけではなかった。「取扱量が採算ベース以下で利益を上げられなくなった」(佐藤さん)のだ。

 国交省によると平成30年度の国内貨物輸送は、トラック(自動車)51・3%、海運43・7%で、鉄道は4・7%。同省はモーダルシフトの計画策定・運行経費を一部補助しており、昨年度は計7件の鉄道モーダルシフトが実現した。世界では製造・販売で脱炭素を徹底する企業が増え、輸送面でも脱炭素化が求められる可能性は大きい。

 佐藤さんは「モーダルシフトが注目されるさなかに事業を終えるのは残念でならない」とつぶやいた。



【臨海鉄道】 JR貨物の傘下で、主に臨海工業地帯の貨物輸送を行う第三セクターの鉄道。秋田のほか八戸(青森県)、仙台、福島、鹿島(茨城県)、京葉(千葉県)、神奈川、名古屋、衣浦(愛知県)、水島(岡山県)がある。鹿島は旅客輸送も行う。北海道の釧路は平成11年、苫小牧は13年、新潟は一部を除き14年に廃止。




【記者の独り言】 幹線道で列をなす大型トラックを見ると排ガスや放熱、騒音、振動、人手…と考えてしまう。道路の舗装補修には平成30年度に全国で約3500億円(国交省まとめ)かかっている。重量のある大型トラックは路面負荷が大きく、また、電動化も技術的な課題が多い。貨物鉄道は全国に網羅されており、環境負荷も小さい。その利用を増やすには税制優遇や利便性向上など、国を挙げた取り組みが必要だと思う。(八並朋昌)


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