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鉄道貨物輸送研究スレッド

2363とはずがたり:2017/05/25(木) 13:44:22

実際、西室氏は就任当初から国内外の物流各社の買収戦略を開始。国内勢の佐川急便、日立物流なども買収対象として検討に入った。

しかし、そんな西室氏の前のめりの熱意とは裏腹に、当初から郵政社内には物流事業への参入に反対の声があったという。

「理由はとても単純で、そもそも郵便会社が物流に参入してもビジネスモデルとして成り立たないからです。なぜかと言うと、郵便は10〜100gほどの軽いものや、単価が安いものを数多く取り扱う商売。

一方の物流のビジネスはその正反対で、重くて一つ当たりの単価が高いものを運んで儲ける。つまり、郵便と物流はビジネスが根本的に違うのです」
掟破りの資金調達

実際、買収したトール社にしても、もとは石炭運搬会社として設立されており、郵便とはまったく別物だった。

「しかも、郵政社員には物流事業のノウハウもないので、うまくいかないことは目に見えていた。

私が日本郵政公社の常務理事時代にも海外物流会社と提携する話が浮上したが、当時の生田正治総裁に『この会社と組むべきではない』と進言し、結局ご破算にした経緯もある。

アメリカでも郵政公社は郵便に特化し、物流に手を出していない。これが世界の常識。ところが西室氏を始めとする電機メーカーや銀行出身の日本郵政首脳陣は、その違いすらよくわからず、無理矢理に突っ走った」

当時、上場の目途とされていたのは'15年秋。刻一刻とその「期限」が迫ってくる中、西室氏は一部の幹部だけを集めて買収チームを組織してプロジェクトを進めたが、その過程では掟破りともいえる一手を断行している。

「トール社を買収するには巨額の資金が必要だったので、その資金捻出のために『ウルトラC』をやったのです。

そのスキームというのは上場前の'14年に実行されたもので、親会社の日本郵政が所有するゆうちょ銀行の株式を、ゆうちょ銀行に買い上げさせるもの。ゆうちょ銀行に自社株買いをさせて、1兆3000億円ほどあったゆうちょ銀行の内部留保を日本郵政に吸い上げさせた。

自社株買いは制度的に認められているものとはいえ、このような大規模な『資金還流』は本来なら許されないものです」

西室氏がこのように強引に進めてきたトール社買収が、世間にお披露目されたのは'15年2月のこと。西室氏は発表会見で、「必ず(買収)効果は出る」と胸を張ってみせた。

しかし、そんな西室氏の「楽観論」に水を差すように、この巨額買収をめぐっては、発表直後からさっそく辛辣な意見が噴出した。

「英フィナンシャル・タイムズ紙は、約6200億円という買収価格について、『49%のプレミアム』をつけたと報じました。郵政の経営陣がトール社の企業価値について過大に評価したということです。

実際、当時すでに鉄鉱石など資源価格が下落し始め、トール社の業績には先行き不安が出ていました。

しかも、西室氏はトール社を日本郵政傘下の日本郵便の子会社としたため、日本郵便は'15年以降、買収にかかわる会計処理として毎年200億円級の巨額を償却しなければいけなくなった。'15年3月期の日本郵便の最終利益は約150億円だったのに、です」


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