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鉄道貨物輸送研究スレッド

141荷主研究者:2003/10/05(日) 02:25

(2002.12.15付) 秋田魁新報社
スローな列車で行こう

 秋田市臨海部の工場地帯を縫って秋田臨海鉄道の貨物列車がゆっくり走る。時速20キロ。自転車ほどの速さだ。線路と並行して国道7号を走るトラックは、貨物列車をあっという間に抜き去る。昭和46年に運行を始め、JR貨物と結んで秋田発の貨物を全国に運んできた。鉄道貨物は、スピードで優るトラック輸送に押され「低速走行」を続けてきたが、時代は今、このスローな貨物列車を逆に追いかけ始めているように見える。

環境に軽負荷、特長を再認識

 秋田市土崎港のポートタワー・セリオンの東隣に「秋田港駅」がある。秋田臨海鉄道はここから北に2・7キロ、南に6・9キロ延びる。貨物列車は毎日、北線の終点「秋田北港駅」まで3往復、南線の終点「向浜駅」まで四往復する。

 北港駅から先の秋田製錬飯島製錬所までと、向浜駅から先の東北製紙までは、それぞれの工場敷地内まで専用線が敷かれている。

 東北製紙で製造した段ボール原紙やコート紙は、あらかじめ運び込んでいた空っぽの5トンコンテナに積み込まれる。1つの台車に5個のコンテナを載せ、これを30台連結。ディーゼル機関車で引っ張る。

 向浜駅を出発した列車は、秋田港駅でJR貨物に貨物をバトンタッチ。秋田操車場駅で、行き先別に車両をつなぎ合わせて関東、関西のターミナルなどに向かう。

 向浜駅を朝出ると、関東圏には翌日の午前、関西圏は2日後に到着する。そこからさらにトラックに積み替えられてユーザーの元に届く。納品までのスピードはトラックには劣る。

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 現在の臨海鉄道の荷主は東北製紙と秋田製錬に、小坂製錬(小坂町)を加えた3社。

 秋田製錬と小坂製錬から出る貨物は、製錬工程で発生する硫酸だ。小坂製錬の硫酸は小坂鉄道―奥羽線―JR貨物―臨海鉄道のルートで秋田製錬まで運ばれ、船積みされて国内外に出荷される。秋田製錬の硫酸の一部は臨海鉄道を通って他県の化学メーカーへと運ばれる。

 今や荷物は紙類と硫酸だけとなったが、かつては石油やセメント、鉱石、亜鉛合金、化学薬品、配合飼料など延べ13種あった。しかし、セメントが船、化学薬品がタンクローリーに切り替わるなど、鉄道からのシフトが進んだ。この結果、南線には穀保町、北線には中島埠頭(ふとう)の途中駅があったが、両駅は平成7年以降、利用されることがなくなった。

 品種は減ったが、紙類の輸送量の増加によって、臨海鉄道は輸送量、金額とも落ち込みを食い止めている。

 秋田臨海鉄道株式会社(本社秋田市、資本金5億円)は昭和45年、当時の国鉄(現JR貨物)や県、沿線企業が出資して設立した。

 営業収益は、3億8000万円だった昭和58年度以降は減少。しかし平成3年に3億円台に回復、12年度は4億円を突破した。13年度決算では、収益3億8000万円、利益100万円と、2期連続の黒字を計上した。

 県の担当者は「線路敷地として県有地を無償提供したり、出資(1億8000万円)もしているが、それ以外に県からお金は出ていない。臨海鉄道は低空飛行だけど、安定飛行を続けていますよ」と話す。

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 国土交通省は現在、幹線貨物輸送を、トラックから鉄道や海運に転換する「モーダルシフト」を推し進めている。最大の狙いは環境への負荷を減らすこと。

 さらに運送会社間の競争が激化する中、過積載や過重労働などの危険を回避する手段としても注目している。あらためて鉄道貨物を見直そうという動きだ。

 同省の試算では、輸送する重量当たりのエネルギー消費効率は、鉄道を100とすると営業用トラック603、自家用トラック1939。地球温暖化の一因となる二酸化炭素排出量は、営業用トラック655、自家用トラック2084。

 また、鉄道従業員1人当たりの年間貨物輸送量は200・7万トンキロで、トラックの8・4倍の能力だ。

 高度成長期やバブル期、企業も役所も便利さを追求した。ビジネスの世界では、競争の激化に伴って「できるだけ在庫を抱えず、必要な時に必要な分を受け取る」という仕組みが一般化した。

 そんな忙しすぎる時代が続き、行き着いた先が今。運行開始から30年余り。臨海鉄道は変わらず時速20キロで走り続けている。


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