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継続:科学と疑似科学を判別する

515Ken:2025/08/20(水) 22:10:51 HOST:52.66.62.130.static.user.transix.jp
光粒子説のFitsと光波動説のエーテルは、どちらも観測事例がない、架空の存在でした。両者の違いは、エーテルにのみ積極的な否定の理由があることでした。

このような条件下において、最も合理的な仮説はどうあるべきでしょうか? よく似た例を考えてみましょう。ダークマター(暗黒物質)の話をします。

宇宙に存在する銀河を観測すると、それぞれの銀河の質量から想定される重力と、銀河の回転から想定される遠心力が釣り合いません。正確に言うと、銀河の中心部分も周縁部分も、同様の角速度で回転していますが、これでは遠心力が重力に優って、銀河はバラバラに分解するはずなのです。我々自身の銀河系(天の川銀河)も例外ではありません。

このような観測事象を解釈する仮説は2つ考えられます。

1.重力の法則が破れている
2.観測される物質(星やガス)以外に、重力を作る質量がある

2の仮説に沿って考案されたのがダークマター。ダークマターの質量が作る重力が加わるから、遠心力との釣り合いがとれ、銀河は分解しない、という仮説です。ただし、これまでのところはダークマターの実体は、天の川銀河においてすら、観測されていません。観測されない理由として、ダークマターはニュートリノと同じく、電磁波との相互作用がない物質である、と説明されています。

ただし、光速に近い速度で運動するニュートリノは、局所的に存在するダークマターではありえません。いわば、質量のある(それも遠心力に打ち勝つほどの質量がある)ニュートリノ的存在が想定されているわけです。でも、そんな物質の存在は、実験室でも観測例がありません。

それでもダークマターが信じられる理由は、これを想定しないと重力の法則が破れているというしかなくなるからです。それよりは、ダークマターの方が、より現実的と考えられるわけです。

こう言えば、現在のダークマターは、かつてのFitsと同じ立場に置かれていることが分るでしょう。ダークマターもFitsも観測事例はない。しかしそれがあることにしないと、より基本的な物理法則が破れていると言わねばならない。

基本的な物理法則の破れがありえないとは断言できません。現実に、2重スリット実験でニュートン力学と矛盾する波動の存在が確認されたのですから。しかし、基本法則と矛盾しない代案がある場合には、代案を優先するのが、合理的なのです。たとえ、その代案が、Fitsやダークマターのように、観測事例がなくてもです。

18世紀に光波動説を光粒子説よりも支持した人は、現在、ダークマターがあるというよりも、重力の法則が破れていると主張する人と、同じレベルの合理性をもっていたことになります。

516Ken:2025/08/24(日) 11:31:35 HOST:KD059132255132.au-net.ne.jp
問題は、エーテルが力学的にありえないにも関わらず、なお光波動説を支持する理由があったのか、です。2重スリット実験が、その強い理由になったことは分かっている。生成される縞模様の形を波動理論に従って予測できるとなると、光粒子説では説明不可能なのですから。でも18世紀までの観測事象はどうでしょうか? 光波動説が根拠とした事象は列挙しました。光粒子説で、これらを説明できたでしょうか?

(1) 光同士が交差する
(2) グリマルディが観測した同心円
(3) ニュートン環
(4) 光速度が一定
(5) 複屈折

2種類の光粒子を想定するFitsで説明されるのは、(2)(3)(5)ですね。(2)と(3)は、波の回折と干渉が観測されていたのだと、後世になって理解されましたが、18世紀の人はそれに「うっかりと」気づかなかったのではありません。光が障害物の背後に回り込まないことと、2つの光源の光を重ねても縞模様が現れないことから、回折も干渉も光では起こらないと考えられました。それなら(2)と(3)は波動説とは異なる解釈が必要で、そのために光粒子のFitsが考えられたのです。

(1)については旧掲示板で語りました。光粒子の密度が小さければ、衝突は非常に稀であること。また、仮に衝突が起こっても、結果的に生じる映像の乱れが、人間の識別能力より小さいなら、衝突したことは分かりません。類似例として、戦場を飛び交う弾丸同士の衝突が、非常に起こりにくく、起こっても観測できないことも、述べました。

(4)については、粒子が大きさにも質量にも依存せず同じ速度で動くことは実例があります。紀元前以来、質量の異なる物体は異なる速度で落ちると信じられてきたのが誤りで、みな同じ速度をもつと示したのはガリレオでした。加速の原理が同じだからで、もし光粒子も同様の原理で加速されるなら、同じ速度になるでしょう。むろん、加速原理が同じという証明はありませんが、同じではないことを示す観測事象もありません。

結局、Fitsや加速原理のように、それを観測する技術が無く、肯定・否定どちらの結論も出せない仮説と、空間の弾性と密度のように観測が可能で、観測によって否定される仮説が存在する時、後者を採用するロジックを構築することができないことが問題の本質なのです。この問題があるから、光波動説は論理ではなく心理的に支持されたと、AIは述べたのです。

支持したくなる心理は理解できます。光の縞模様が波の縞模様を連想させるのだから、光は波と思いたくなるに違いありません。しかし、より重要な点を考えれば、その仮説は否定されねばなりません。これも類似例を出しましょう。

水中を泳ぐイルカを見れば、誰もが魚を連想します。空を飛ぶコウモリを見れば、誰もが鳥を連想します。そこから、イルカは魚類でコウモリは鳥類という仮説を立てられます。実際に昔の人はそう考えたことでしょう。

しかし、よく観察すると、イルカもコウモリも卵ではなく子供を出産します。ゆえに、どちらも哺乳類で、系統的には魚や鳥よりも人間に近い動物だと結論されるのです。泳ぐ・飛ぶという特性よりも、胎生という特性の方が、より根源的な分類基準だからです。

では波動の特性は何でしょうか。縞模様を作ることも特性ですが、より根源的な特性は、媒質を伝わる振動という点にあります。18世紀には、これが波動の定義といえるでしょう。

哺乳類の定義は胎生で得た子供を母乳で育てることです。波動の定義は媒質を伝わる振動です。その媒質問題で否定される光波動説を、縞模様や光の交差を根拠に支持するのは、イルカを魚と考えた人が、胎生生物である証拠を見せられてなお、海を泳ぐから魚だと言い張るようなものです。


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