フィギュア・スケート
ベルシーのフィギュアスケートのスター・オン・アイスに行ってきました。昔はよくホリデイ・オン・アイスとか行きましたが、フィギュア・スケートのショーは初めて、しかも世界チャンピオン級のは今までTVでしか見たことがありません。今回は、フランス人のブライアン・ジュベールが42年ぶりでフランス人男子シングルの世界チャンピオンになったばかりで、華やかです。私は日本人なので、女子チャンピオンの日本人も見たい感じですが、女性ソロはワルシャワであったヨーロッパ選手権の2位のサラ・メイヤーというスイス人、3位のキラ何とかいうフィンランド人でした。キラさんは最も美しいスケーターに選ばれたそうで、「もちろんブロンドで」とかいうナレーションは「なんかなあ」と思いました。サラ・メイヤーさんはブロンドじゃないけど美しかったし。カップルのアイスダンスが多かったので、ソロですべる人は何となく寂しそうに見えたのも意外。第一部のはじめの方で、転んだりする人が出て、司会者が、「ベルシーですべるのはすごく難しいんです。ベルシーだから、パリだから」とフォローしてました。この「パリだから」というのも、すごくフランス的だなあと思いました。国際大会とかで、「日本だから」「東京だから」みんな緊張するとは日本のアナウンサーは言わないだろうなと。出演者の主力はフランス・チームなので、この「パリだから」というのは、多分ほとんどのスケーターが地方出身者だということを意味してるのかもしれません。
それで、男子ソロはこないだの日本で行われた世界選手権の金銀銅が全員出てました。銀の高橋大輔くんも。その順位で行くとまず銅のステファヌ・ランビエルが滑って、次に高橋、最後にブライアンかと思ったら、高橋が一部も二部も3人の中では前座扱いの最初でした。最もランビエルは2005年と2006年の世界チャンピオンだから、総合の格から言うと、高橋の後に滑るのが妥当かもしれない。それに彼はフランス系スイス人でフランス語を話すし、フランスでも人気だから。私は高橋がフリーで最高得点を出したのをTVで見ていたので、ベルシーでかっこよく滑るのを期待していたのですが、そして、期待通り上手でしたが、何か違う。完璧で高性能という感じで、集中力も伝わり、色気さえあるんですが、そして最後に「J'adore la France]とフランス語で言うというサービスも見せて受けていたんですが、ランビエルやブライアンにあって彼にないもの、それは余裕と華かもしれません。このショーは選手権とかじゃないんだから、ミスをしないとか完璧とかいうより、もっとはじけてほしかったです。3人の中では彼が一番若く、その差も多少出てくるのかもしれません。ブライアンも若いんですが、アレクセイ・ヤグディンの薫陶を受けたせいか、楽しんで、それをコミュニケートするという喜びをちゃんとあらわせています。彼が出てきたときの「華」というのは、スポーツ選手の華というより、なんだか宝塚の男役トップスターの華です。あたかも技術なんか2次的なような。「がんばる」という感じが見えていたらショーにはならない、フィギュアスケートはスポーツだけど、バレーなんかに非常に近いので、選手はアーティストである必要があります。ショーとなると、アスリートが完全にアーティストに変身しなくてはならないんですね。エンタテイナーといってもいいです。後、ッスケートクラブの女の子たちなんかが客席からすごい声で叫ぶんですが、その抑揚が独特で、掛け声の文化というのはどこにでもあるのだと感心しました。仏文和訳2の解説は明日にでも。