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おしゃべりルーム

193Sekko:2007/05/05(土) 06:26:15
平等主義のはき違え
 マイケル・トッドの分析の中でおもしろかったことは、どうして、不平等主義があらわなサルコジが、平等主義の徹底しているフランスで支持を得ているのかという理由です。敷衍して解説してみます。
 本来、フランスの平等主義は、一人一人が違うのは、個人であるからであって、ある共同体(民族や性別や、文化や宗教や肌の色や階層など)に属するからではないということです。それでいて、その個々の違いに注目するのではなく、共通したものに注目しよう、それは、人間だというところで、それがヒューマニズムとなり、自由や権利という共通の理念における平等を実現しようということです。それがフランスのユニヴァーサリズムなので、個々のプライヴェートな多様性は他者の自由と安全を侵さない限り、ノータッチです。
 ところが、その平等主義をカリカチュアするというかはきちがえるというか、倒錯させると、みんな、フランス公民として均一になれという全体主義的平等主義になるわけです。フランスに住むのなら、今すぐここで、フランス語を話し、モスクでなく教会に行き、豚肉ソーセージを食べて、ワインを飲んで、フランス人らしく暮らせというような。
 フランスが学校のように共和国の聖域であるライシテ空間では、イスラムスカーフ禁止とかいうのは、実際は誰でもどこかの共同体の一員として生まれてくるのですが、それが利害を異にするコミュノタリズムに陥らないように、そこに生きる未成年の子供に、共同体とは別の共和国原理で動く空間があることを教えるためです。学校外や、成人を拘束するものではありません。公務員などはもちろん別ですが。
 それを批判する共同体優先主義者は、フランスはマイノリティの伝統を尊重しない全体主義的な国だとか言うわけです。実際、フランスでは、移民の子はすっかりフランス人になる傾向があります。シテの若者が騒ぐのは、ある意味、すごくフランス的メンタリティで、権利意識と平等意識とが浸透しきっているからともいえるのです。文化は継承するものだけではなく、獲得するものでもあり、土地とも結びついているのですから、移民の子供が、生まれたところ育ったところの文化に染まるのも当然だし健全だと言えるでしょう。
 しかし、また、人には知らないものを敬遠したり、恐れたり、異分子を排除したりという本能みたいなものもあります。フランスの北東部から南部にかけては、マグレブ移民が多く、その地域の人には、外人嫌いも多い。それに、マイノリティがいる場所では、いつも、社会の不都合や不満や緊張をマイノリティの責任にしてしまうことで利益を得る人がマジョリティの中に必ずいます。それでますます差別意識が助長されます。それでも、フランスのような平等主義の人権重視の伝統の国では、それをなかなか公に口にすることは難しい。それをル・ペンが代弁してくれたので、飛びついた人もいるのですが、本当は居心地が悪く、良心の呵責がある。ところが、サルコジの言い方はやや違います。移民がフランスを愛するフランス人にならないから悪い、「平等=同じ」にならないのが悪い、「フランス共同体」に同化しないから悪い、と言ったのです。外国人差別主義者がこれに賛同するのは、彼らに刷り込まれている「平等主義」に(実ははきちがえですが)合致するわけです。だから、ル・ペンに賛同する時のような後ろめたさがない。ちゃんとフランス人になって、おとなしくしていないクズは大掃除で一掃してしまえ、と、外国人排斥の欲望を満足させられるわけですね。
 難しいです。
 前の記事にミスが散見されました。大体分かると思いますが、意識化とあるのは意識下の間違い。「ルサンチマンの支配する地球上の主義や多くの国での」という場所で、「主義や」というのはノイズです。削除。すみません。




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