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おしゃべりルーム
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若者の話
最近『中央公論』の5月号をいただいたので読みましたが、考えさせられる記事ばかりでした。フランスのCPEの騒ぎのこともあって(5月発売の新潮45でこのことについてまとめる予定です)、日本の若年失業者やフリーターのことも考えていたのですが、この雑誌にはいくつかの全く違う見方が紹介されていました。そのひとつは、今の若者は「毎月確実にもらえる給料」につながる雇用が保証されていないから、底辺を這いずる者にとっては「金」が人間の尊厳だというのです。給料という土台を前提とした日本の社会で、給料がない人は、人権がないのと一緒で、若者が「金が欲しい」というのは、「人間として認めて欲しい」という魂の叫びだというのです。これを読んで、それはフランスの移民の若者たちの不全感と同じだなあと思いました。ところが、もうひとつ、別の記事では、若者たちは格差が広がってもかまわないとだんだん思っているというのです。富の再分配なんてしなくてもよいから自由に生きたいらしいです。「金は要らないから好きに生きさせてくれよ」「再分配よりも自由や多様性を認めてほしい、その結果自己責任で死んでもかまわないから」と考える人が増えているというのです。この言葉を読んで、なんだか胸がつまりました。フランスの若者ならなんだか絶対に言いそうにないことだから。
後、原田豊さんという方が、楽しい人口減少社会について書いていて、びっくりしましたが、後味はよかったです。ペシミスティックな見方が多い中で、こうはっきり楽観的にものを見られるのはうらやましいです。日本は孝を強調する儒教文化と違って、親の子に対する情愛が強調されたという津田左右吉の指摘も面白いと思いました。親の恩が尊いから子は孝を実践しなくてはならないので、互恵的だというのです。まあそれで、日本の高齢者は若者のために我慢できるという論になっていくんですけど。でも、動物でもそうですけど、子供がちっちゃくて子供の形をしてるうちは確かにそうですけど、高齢化社会になると、子育てが終わってから延々と生きるので、自分も保身のために自己中心になることの方が多いような気がします。いくつになっても子はかわいいという人もまあいますけど。
でもその点ではフランス人も子を保護しますね。アングロサクソンの自助努力風の育て方は少ないです。フランスの子をアメリカのホームステイにやる説明会では、「アメリカの家庭では、洗濯物は子供が自分で乾燥機から出します、フランスのように、お母さんがアイロンをかけてたたんで片付けるということはありませんから」という注意がありました。それを聞いたうちの子は「ママ、うちはアメリカ風だったんだね」と言っておりました。
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