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おしゃべりルーム

1047小寄道:2022/02/05(土) 03:46:45
トッドの事など
今回、エマニュエル・トッドについて書かれていて、彼の思考法に違和感をもっていることや、日本との関係にふれ、そしてポール・二ザンへと話を紡がれていました。
トッドといえば、ソ連崩壊を予言した社会人類学者で、30年ほど前になりますか、日本でも注目を集めました。
フランスの人類学といえばレヴィストロースやマルセルモースですから、私も俄然、新進気鋭の学者、トッド関連の本を読みまくりました。

ご指摘のように、アングロサクソン直伝というか、データ分析に基ずく実証主義的な家族社会学でして、人口動態のデータの基本となる官製資料をベースにしたもの。乳幼児の死亡、出生数の減退で、ソ連の崩壊を論証したといわれます。
もちろん論文そのものは読んでいませんし、それを注釈した解説書しか読まなかったです。

そういえば、トマ・ピケティも官製データをもとに税金、資産蓄積やそれらの歴史的推移の分析で『21世紀の資本』の来るべき未来像を示唆しています。彼もまた、アングロサクソン流の方法論を踏襲したもので、それゆえに世界的なベストセラーを生みだしたといえます。アナール派のアラン・コルバンも、そういう系統の著書がありました。

とつぜん話がとびます。さきほど、メロンパンチさんのブログを拝読したら、私がコメントした記事に、Sekko様もコメントされていて、考えること多々ありました。

ただ、一点、おききしたいことがあって、こちらにコメントを書いています。

「天災等の苦難、試練(復讐すべき加害者の顔が見えない時)に遭遇した場合、その『意味』を探ろうとするのはサバイバルの一種で、古今東西共通です」と。
端折っていますが、そうした理不尽な事態に実際にあわれた当事者、つまり被害者は語ること、ときにそれを拒否する「特権」がある、と書かれています。
だから、第三者(特に政治家)は、軽々に口にすべきものではないと強調しています。もちろん、これな3.11のときの故石原氏の発言を示唆したものでしょう。

もちろん第三者には、被害者の「特権」など有するはずはないし、皇室の方々のように耳を傾け、心に寄りそうことが模範的といえるでしょう。
でも、あのときは、世界中のひとが日本のことを語ったと思います。

サバイバルの意味を瞬時に考え、「原発をストップする」と宣言したのはメルケルさんでした。
日本ではお笑い芸人や識者、子どもたちまでも被害者の皆さんにメッセージを発した。
そのなかには一見ネガティブで、自省を忘れるな、油断するなとか、供養は充分かとか、もっといえば「メメントモリ」なるものを発信した人たちだって、けっこういたんじゃないかと思っています(SNSの草創期でしたから)。

わたしは、悪意をもったメッセージは相手の心に届かないと思っています。受けたかたは、心外な内容ならその場では落ち込む、心が傷つくでしょうね。でも、そのひとはやがて忘れるだろうし、気に留めていたら前に進まないと考える。被害を受けた人々の「特権」は、普遍的に守られるべきだ。しかし、法律で保障されていないし、規範に属してはないか・・。


実は、故石原氏があの発言をしたとき、マスコミをふくめて徹底的に言論の俎上にのせるべきだと、私は考えていました。
各界、一般ふくめて、故石原氏の思想、信条、人間観などを徹底的に議論すべきだと考えたのです。
正義の物差しで議論するか、宗教的なそれか、科学的判断の有効性、もろもろの観点からか・・。
石原慎太郎という人物をこれでもというぐらいに切り刻んで料理する。
これは、彼にとっても「特権=義務」であり、議論する側の当然の自由です。
これぐらいの局限まで追及しないと、日本はいつまでも事なかれでいくんじゃないかと思いました。

どうも、長くなってすみません。どうかまともに相手せず、二言三言で一刀両断してくださいね。
同じく二ザンの倍を齢喰った市井の爺の世迷言です。適当にあしらってくださいね。

ともあれ、当時、トッドの出自とかバックグランドに興味をもち、Sekko様と同じく二ザンへとたどり着いたことは記したいです。
Sekko様の若かかりし頃の思想遍歴とも、ほんの少しだけオーバーラップしますし、『アデン・アラビア』はランボーの『地獄の季節』とおなじ質量をもつ書物だった。

以上、長文・乱文にて失礼いたします。




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