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おしゃべりルーム
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あらためて映画を見た感想
??ご指摘を読み、なんとも恥じ入るしかありません。Liberty ValanceをLiberty Balanceと思い込み、RanseをLanceと勘違いしていたわけですから。あの映画を見たとき、字幕付きということで、リスニングに自信のない私は、ほとんど字幕を追いながら展開を理解しようとしていました。そのため、作品の狙いについても、自分の関心の都合に引き寄せながら、分かったつもりになっていたようです。あのレポートは、結局は私の非力さをとどめたものにすぎません。
そこで、消せない恥を噛みしめながら、せめて思い込みを解消しようという気持ちになり、アマゾンであらためて『リバティ・バランスを射った男』を鑑賞し直してみました。
今度は食い入るように映像を見つめ、台詞に聞き耳を立て、作品の狙いをありのままに捉えようとしました。そうして気づいたことを、いくらか述べることにします。
初めてあの映画を見たときは、主人公がランスだとおもっていた。けれども、今回は、実はトム・ドニフォンの方が主人公らしくおもえた。ランスの告白が終わって、地元紙の編集長が取材メモを破って語った言葉が、おそらく作品の狙いを反映しているのだろう。
"This is the West. When the legend becomes fact, press the legend."
「ここは西部だ。伝説が事実になったら、伝説を報ずるのさ」
『リバティ・バランスを射った男』というタイトルは両義的なのではないか。その事実はトム・ドニフォンのことであり、伝説としてはランサム・ストッダード。そして作品の展開は、称賛される伝説を生きる男の背後には、実は無法時代の苦難を引き受けた強く優しい男の自己犠牲的な生き方があったことを伝えている。トム・ドニフォンは、欲望と力がせめぎあう時代が創意と智恵を工夫する時代へと転換する、過渡期の課題に誠実に答えようとする人物におもえた。
もうひとつ、印象深い台詞がある。西部に向かう幌馬車を待ち伏せていたリバティ・バランスが、乗客の金品を強奪し、女性を守ろうとしたストッダードを残虐に叩きのめしたときに発した言葉。
"Out here, a man solves his own business."
「ここではな、ひとは自分のことは自分で片付けるのだ」
確認違いでなければ、後にランス自身も、ドニフォンとのやりとりで同じ台詞を述べざるをえなくなったはず。個人の自立、社会の自治が定着する前段階では、「自分のことを自分で片付ける」いとなみのせめぎあいや葛藤が避けられなかった。そのせめぎあいや葛藤を適度に調停したり緩和する存在が、ドニフォンのような強くやさしい男だったのだろう。
トム・ドニフォンとリバティ・バランスは、無法地帯に必要最小限の秩序がととのう条件の両極にある存在だった。つまり、脅迫的な支配力と強固な防衛力。それらは、西部の開拓地に生きる男たちの野望と本能が奔放に露出されていた時代の秩序に見合う力だった。やがて開拓地にも町ができ、女性や子供たちがともに暮らす地域となった段階では、「自分のこと」だけではなく「共にいる自分たち」を守る秩序が要請される。その要請に応える力は、必ずしも武力ではなく、望ましい約束や契約を可能にする言葉の力になってくる。その言葉は、「共にいる自分たち」のおもいを集約する理念に裏づけられる必要がある。その必要を満たすのが、守りつづけるにあたいする言葉としての法というものだった。
法が定着するためには、「共にいる自分たち」で法に求められる精神を学び、規範とすべきことを合意し合うことが必要になる。そうしたいとなみが「共にいる自分たち」の生活習慣として揺るがないありかたになれば、リバティ・バランスのような脅威を抑制する可能性が高まるし、トム・ドニフォンのような強くやさしい男の防衛力に頼る必要も少なくなる。無法地帯の秩序を両極から測り合っていた男たちが、自己破壞や自己犠牲によって消えゆくのも、時の流れだったのだろう。
以上のような感想を抱いた後で、主要な登場人物の名前についても考え直してみました。往生際が悪いかもしれませんが、それについてのメモも記してみます。
Liberty Valance
・valance: 前飾り、掛け布 < descend, go down
⇒ 自由を衰弱させる存在
Tom Doniphon
・doni <do or don:??一定の状態におく,与える、
・phon<phone: 音、声
⇒ 折々に妥当な声を発する存在、不測の事態にも対応する力の担い手
?? 欲望と力がせめぎあう時代から創意と智恵を工夫する時代への過渡的存在
Ransom Stoddard/ "Ranse"
ransom: 身請け、解放、あがない
dard <Dardan: Trojan
????<Dardanus: ZeusとElectoraの息子、トロイアTroy、人の祖先
⇒ あえて苦境を引き受け平穏な秩序を求める
約束や契約にもとづき、お互いの自由を尊重し合える社会のいしずえとなる
????無名な者の自己犠牲に支えられながら、称賛のまとになる伝説を担う
公衆が望む役割に徹する
Hallie< hallelujha; holy
賛美、神聖さの響き
かなりこじつけがましいかもしれませんが、作品を生かしている個性から類推してみた次第です。
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