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スピノザ『エチカ』読書会

75ムラタ:2019/06/25(火) 07:16:45
ゲーテの戯曲『ファウスト』にスピノザ的な神を感じさせる美しい一節があるので、参考に載せておきます。
恋人に信仰心を疑われた際、ファウストが返したセリフです。

“神の名を唱えて、自分は神を信ずると告白できる人がいるだろうか。
心に神を感じていながら、自分は神を信じていないなどと果たして言い切れるものだろうか。
すべてを包むもの、すべてを保つもの、その神は君をも私をも自分自身をも包み支えているのではあるまいか。
大空は大きな丸天井を作っているし、大地は足の下にしっかりと横たわっていて、やさしい眼差しで星々が永遠に差昇ってくる。
君と眼と眼を見合わせていると、すべてが君の頭、君の心に押しせまってきて、君のかたわらでは、すべてが見ゆるが如く見えざるが如くに、永遠の神秘のうちに動き働いているではないか。その気分で君の胸をいくらでもふくらませるのがいいのだ。
そうして君がその気持に浸りきって、もう何も言うことがなかったならば、その気持をなんとでも呼べばいいのだ、幸福とも、まごころとも、愛とも、神ともね。
それをなんと呼んでいいか、私にはわからない。
気持が一番大切なのだ。
名など、天の炎を霧のように包み隠す空虚な響き、煙のようなものにすぎない。”
(ゲーテ『ファウスト』マルテの家の庭より、高橋義孝訳)


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