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あなたの知らない世界 体験談
121
:
名無しさん
:2016/01/03(日) 23:41:05
むかしの話です。
当時、ひとり暮らしの学生でサークルに好きな人がいました。
誰にも言ったことはなく、告白しようだとかアプローチしようとかも出来ず完全に心の中に秘めていました。
そんなある日、とある駅前の本屋にふらりと立ち寄りました。
見落としそうなすみっこの方に新書サイズの「魔術書」がありました。
もともとそういうものに興味はあったのですが、なぜかその本に妙に惹かれて買ってしまいました。
そしてその中で一番お手軽そうなとある術をやってみることにしました。
好きな人が好意を持ってくれる、というありがちなものです。
私は本の通りに忠実に行いました。
術には「なんらかの代償」が必要だと書いてあったので、献血もやりました。
術を行ったときはなんともありませんでした。
朝一で行うものだったので少し眠たかったのを覚えています。
その一週間くらい後のことでした。
当時私は東向きのアパートの3階に住んでいて、毎晩ベランダに出てお月見をしながら夕食を取る習慣がありました。
今日も月がきれいだなーと思っていたら、突然視界がピンク色のまばゆい光で溢れました。
例えるなら車のハイビームをいきなり当てられたみたいな感じです。
もちろん夜ですし3階です。ベランダの外には誰もいません。
ピンクの光がまぶしくて、わけがわからなくて、薄眼を開けてその光を見ようとしました。
そこには私の好きな人の姿がありました。
もちろん本人じゃありません。映像みたいな感じでそこにいました。
私がその人を認識すると、その人の姿とピンクの光はあっという間に消えてしまいました。
さっきまでの静かな月夜に戻っていました。
そのあと、その好きな人からなぜかメールが頻繁に来るようになり、食事につきあってと言われたりしたあと、「好きだから付き合って欲しい」と告白されました。
術を行った日から半月たっていないと思います。
ちなみに今はその人と結婚しています。
ちょっと現実離れした体験かなと思うので本人にも言ってません。
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