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聖典引用 板

921a hope:2012/07/06(金) 07:30:28 ID:kJvHf4/g

人生読本 谷口雅春先生著

凄い男の顔【前半】


別所さんはふと読んでいた書物から目を外(そら)して他を眺めますと、
そこに何という嫌な顔付きの男がいて自分の顔を見ていることでしょう。

眉と眉の間に凄い皺が堅(たて)によって、イライラとした眼からは火花のような鋭い光が、
別所さんを咎(とが)めるように睨みつけています。
額から顔一面にかけて暗黒の翳(かぶ)さったような陰気な、見るからに不快な気持ちの男なのです。

別所さんはこの男の顔をじっと睨みつけていました。
「お前だな、わしを呪っていたのは。お前だな、わしを不幸にしていたのは。」
別所さんはその男に「そこを去れ、お前のような男は嫌いだ!」と一喝(いっかつ)しようとしました。

別所さんは手を挙げました。その男も手を挙げました。
「何じゃ、お前は、わしの影法師か、わしの姿が鏡に映っていたのだな」、
別所さんは心のうちに呟いてジッと考え込みました。

「わしは、あの鏡の中に移っていた自分の姿に、『お前のような男は嫌いだ、去れ!』
と呶鳴(どな)りつけようとした。
今まで人が私に深切にしてくれないので、自分は人を恨み、人を呪い、
何故、よその人は自分に深切にしてくれないのか。
私はこれまで人と交わるには誠(まこと)を尽くして来たつもりだったのに、
誰も彼も自分を毛嫌いするようで不快で不快で堪えられなかった。
ところが、自分でも鏡に映った自分の姿に『お前のような男は嫌いだ』と言おうとしていた。
それは無理もない話だったのだ。どこが私の姿をこんなに人に嫌われるようにしたものか。」

別所さんは、もう一度鏡の中の自分の姿を眺めました。
「この自分の顔のどこから、こんな不快な感じが立ちのぼるのか。」

別所さんは眉と眉の間に深い竪溝(たてみぞ)がつくられていることに気がつきました。
眉と眉との間に皺をよせる癖を直してみよう。

別所さんは鏡に向かっていろいろ工夫しました。
習慣になっているので、ともすれば眉に皺がよります。
眉根をひろげて鉢巻きをしてみたり、両方のこめかみに絆創膏(ばんそうこう)
を貼ってみたりしていろいろ工夫されました。

(後半につづく)


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