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聖典引用 板
359
:
金木犀
:2012/04/11(水) 11:01:53 ID:y/Po8pPE
矛盾の解決(5)
谷口清超先生、 『生長の家』誌、昭和58年
矛盾の克服
しかし乍ら現実はなかなか厳しい。先ず手術日はずっと前から九月十七日と決まっていた。ところが講習会はこれ又九月二十日と決まっている。手術の日とその後には彼女の身辺についていてやりたいが、講習会と重なるからこれでは大変困るのだ。ことに時間が足りない。夜病院に行って、祈ったり『甘露の法雨』を読誦したり、励ましたり、慰めたりしてから帰るとなると、福岡発は夜中の一時頃の夜行列車だ。すると佐世保に着くのが四時半頃である。その列車中で仮眠するだけが、宮田さんの唯一の睡眠時間だった。朝になると又佐世保教区内を講習会の準備に駆け回る。その他の組織との幹部会もある。講習会直前の手術は、誠に具合が悪いのであった。
だから宮田さんの熱烈な祈りの中には、この問題が矛盾なく行われることが折り込まれていた。本来実相世界は何一つ矛盾はない。しかるにそれが三次元空間に現れて来ると、各種の矛盾点が出てくるのである。もう一つの大きな矛盾点は、雅子さんの脳腫瘍が、予想以上に大きく、医学的診断によると視神経を妨げる場所にあるので、腫瘍を切開すると、必ず視神経も切断され、たとえ腫瘍が治っても一生盲目になるという予告であった。もしこんなことになると折角手術して一命をとり止めても、若い身空で一生目が見えなくなる。これはとても可哀そうである。何とかしてこの矛盾も克服したい。それにはただ実相を心から視る、祈る以外に道はないのだ。どういう手立てでこの問題が解決するか、そんなことは全く分からない。ただ「神の創り給うた世界には不可能はない」とう堅い信仰だけが唯一の拠り所であった。
宮田さんは列車の中でも祈り続け、又わずかの暇を見ては祈り続けた。そして最後に全てを神に全託したのである。すると手術日の二日前になって、突然「手術が二十二日に延期された」と通知された。別に病院側にかけ合ったわけでも何でもないが、二十日に講習会が終わった次の次の日であるから、もう何の心配もなくなった。宮田さんには「やはり祈りは叶えられる」という確信が湧いてきた。
最も重要なことは
このように心の中に強く描く思いは実現する。それがたとえ願望することでもしないことでも、強い思いは実現するのであるから、恐怖心によって心を占領せず、神の御心にあるところの明るい想念や信念によって占領しなければならない。それが可能となる根柢は、言うまでもなく「神のみ実在する」という純粋な信仰であり、それについての行である。
とにかくこのようにして講習会と手術日との矛盾は解決したので、宮田さんは力一杯講習会に打ち込み、各組織とも昨年以上の成績を上げることが出来た。さて会が終わるやすぐさま福岡に飛んで行き、雅子さんの手術の準備にとりかかった。がしかし腫瘍と視神経、が重なり合っているという重大な問題がまだ残っている。盲目になっても手術するかどうかと重ねて聞かれても、やはり「お願いします」と言わざるを得なかった。
脳腫瘍の大手術は九時間もかかった。その間宮田さんは奥さんと交代々々で『甘露の法雨』をずっと読誦し続けた。やがて手術が終わり、説明に出て来られた主治医はこう言われた。
「開いてみると、病状が非常に好転していて、大きかった腫瘍が縮小し、うまい具合に視神経からも外れていました。しかも非常によい形をしていて、視神経には何ら異常なく完全に摘出することが出来ました」
以来雅子さんの病状は急速によくなり、その後一ヶ月を経て退院し、さらに一ヶ年経ってからもすっかり健康で、いつ病院に検査に行っても完全治癒ということで、今は明るく楽しい毎日を送るようになられたのである。
この事実を見ても、現象界に起る様々な矛盾や撞着を解消するには、「実相を観る」以外真の解決法はあり得ないと言わざるを得ないのである。これをやらず如何に不幸を恐怖しても、それは不幸を回避する手立てにはならず、如何に戦争を恐怖しても、戦争は消えさるものではない。従ってその反対に多くの人々の心を光明化し、真実の世界が大調和であり、完全円満であることを確信する人々をふやし、愛と感謝と祈りと讃嘆の思いを拡大する「人類光明化運動」を強力に前進させることが、最重要課題であると確信する次第である。
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