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聖典引用 板
352
:
金木犀
:2012/04/11(水) 05:01:52 ID:oWXOwFKk
矛盾の解決(2)
谷口清超先生、 『生長の家』誌、昭和58年
心の法則
こんなに用心していたら、どんな大泥棒でもこの鞄は盗れない筈だ。そう思ってしばらく行くと、急に車がガタガタし出した。Nさんが「おかしいな、パンクしたらしい」と言いつつ、道路の片隅に駐車し、車から降りてみるとやはりパンクであった。
「ちょっとタイヤをとり換えます、しばらく待っていて下さい」
と言って修理を始めた。江国さんも助手席でじっとしている訳にも行かず、
「手伝いましょうか」
と車を降り、のぞき込んだ。「いや、大丈夫、慣れていますから……」そんな訳で間もなくタイヤの交換が終わり、二人とも車内に入った。すぐ出発したが、鞄が見当たらないのだ。どこを探してもない。結局二人が車外に降りたわずかの隙に、泥棒さんに見事してやられたということが分かったのである。
「そういえばずっと変な車が後をつけて来ていたが……」
明らかに江国さんの鞄は狙われていたのだ。何故か?あまりにも大事にしすぎて、
「盗られはしまいか」と、肌身離さず持っていたから、泥ちゃんは余程金目なものが入っていると勘違いし、何としてもそれを盗るべく後をつけた。辛抱強くチャンスをうかがい、パンクの小細工までして、ついに目的を達したという訳である。あとで調べてみると、タイヤは仕掛けられた刃物で切られたようになっていたという。
どうしてこんなことになるのかというと、やはり「心のなかに強く描いたことが実現した」という他ないであろう。それは希望しないことであっても、恐怖することは実現する。だから人はいくら失敗を恐怖しても失敗するし、病気を恐れても、又事故を恐れても、そんなことは駄目なのだ。勿論戦争を恐怖するだけでは駄目だし、原爆水爆に反対して、広場に寝転がっていくら「死んだ真似」をしても駄目だ。いや、むしろあんなことをすればするほど、「水爆で死ぬ」ことを強く心に描き、且つ実演までするのであるから、水爆戦を誘発する一つの力になるだけである。
これはごく簡単な「心の法則」を理解するかしないかの問題だ。人はいくら善意出会っても、智慧が足らず、法則を理解せず、それを逆用していると、その結果大失敗する。だから釈尊も「悟りに到る第一は知ることである」と教えられたのである。法則を知り、真実を知ることが何よりも肝腎で、失敗を恐怖したり憎んだりするより、積極的な「成功」を心に描き、「健康」や「幸福」を強く思うようにしなければならないのである。
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