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聖典引用 板
306
:
SAKURA
:2012/03/29(木) 14:10:00 ID:FEa/NNlc
<つづく> No.2
第 3 節 仏の国をささえるもの
1.ウダヤナ王の妃シャマヴァティ−は、あつく世尊に帰依していた。
妃は王宮の奥深くにいて外出しなかった。侍女のせむしのウッタラ−は、
記憶力がよくて、いつも世尊の法座につらなり、
教えを受けて世尊のことばのとおりを妃に伝え、これによって、妃の信仰は、
いよいよその深さを増したのであった。
第ニの妃、マ−ガンディヤは、シャマヴァティ−をねたんでこれを殺そうと企て、
ウダヤナ王に色々中傷した。
ついに心を動かした王は、シャマヴァティ−を殺そうとした。
その時シャマヴァティ−は、従容として王の前に立ったが、
王は妃の慈悲に満ちた姿に打たれて矢を放つこともできず、ついに心が解けて、
妃にその粗暴なふるまいをわびた。
マ−ガンディヤは、いっそうの怒りを増し、ついに王の留守の間に、
悪者と謀ってシャマヴァティ−の奥殿に火を放った。妃はあわてて騒ぐ侍女たちを
教え励まして、驚きも恐れもせずに、世尊の教えに生きながら従容として道に殉じた。
せむしのウッタラ−も火の中で死んだ。
シャマヴァティ−は、在家の信女のうち慈心第一、ウッタラ−は多聞第一と
たたえられた。
2.釈尊族の王、マハ−ナ−マは世尊のいとこであるが、世尊の教えを信ずる心が
至ってあつく、誠を尽くして帰依する信者であった。
コ−サラ国の凶悪な王、バイル−ダカ王が釈尊族を攻め滅ぼしたとき、
マハ−ナ−マは出ていって王に会い、城民を救いたいと願ったが、凶悪な王が
容易に許さないのを知って、せめて自分が池の中に沈んでいる間だけ、門を開いて
自由に城民を逃げさせてほしいと頼んだ。
王は人間の水中に沈んでいる間だけのことなら、わずかな時間であるからと考えて
これ許した。
マハ−ナ−マは池に沈み、城門は開かれ、人びとは喜んで逃げのびた。しかし、
いつまでたってもマハ−ナ−マは浮かび上がらなかった。彼は池に入って髪を解き、
柳の根に結びつけ、自らを殺して人びとを救ったのであった。
3.ウトパラバルナ−(蓮華色)は神通第一の比丘尼であって、マウドガルヤ―ヤナ
(目連)に比べられる人であり、多くの比丘尼を引き連れて常に教化し、比丘尼の中で
すぐれた指導者のひとりであった。
デ−ヴァダッタ(提婆達多)がアジャ−タサルト(阿闍世)王をそそのかして、
世尊に対して反逆を企てたが、後、王が世尊に帰依してデ−ヴァダッタを顧みないようになり、城門に至ったがさえぎられて入ることができず、門前にたたずんでいたとき、
おりから門を出てくるウトパラバルナ−を見て、にわかに怒り出し、その大力にまかせて
こぶしをあげて頭を打った。
ウトパラバルナ−は痛みを忍んで僧坊に帰ったが、弟子たちの驚き悲しむのを慰めて
「姉妹よ、人の命ははかられない。ものみなすべて無常であり、無我である。
さとりの世界ばかりが、静かであって頼るべきところである。
努め励んで道を修めるように」と教え、静かに死についた。
<つづく>
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