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聖典引用 板

2423SAKURA:2013/07/19(金) 21:18:04 ID:pMLLKHKU
トキ様 へ 観覧者野皆様 へ
こんばんは、ローマ字(大文字)の【SAKURA】で〜〜〜す・・・。
>>2421>>2422 のSAKURA投稿の続きです…。

■ 小閑 雑感
―――― 梅の実の落ちるころ ――――          谷口雅宣      ―その1―

 夕食後の静かな時間、居間で窓に背を向けて新聞を読んでいたら、背後で突然、トーンと音がした
ので驚いた。サンルームのアクリル・ガラスの屋根に小石のようなモノが当り、そして小いものが転が
る音がした。一瞬「何だ!」と身構えたが、その音には憶えがある。まもなく“犯人”に思い当たった、
梅の実なのだ。

 サンルームの上に覆いかぶさるようにして、紅梅の古木が1本ある。祖母の還暦祝いにもらった
盆栽が、地植えして育ったものだから、樹齢は40年を超えるだろう。毎年、寒風の中、他の木に
先駆けて濃いピンクの花を咲かせ、我々の心を温めてくれる。否、紅梅より先にサザンカやツバキが
花をつけているが、これらはあくまでも「冬の花」だ。紅梅はその色のせいか、寒中に咲いても春の
訪れを感じさせる。

 それに続いてジンチョウゲ、ハクモクレン、ユキヤナギ、レンギョウ、ヤマブキ、ヤマザクラ、
キリシマツツジと咲けば、もう春もたけなわ。桃色のサツキ、白い可憐なブルーベリーがこれに加わり
いつのまにか5月になる。そんな時、風が強く吹く夜など、花から実になった梅が落ちて人を驚かす。

 この紅梅の木にはネコが登る。その理由の一つだと私が考えているのがキーウィ−だ。サンルームの
透明の屋根に隣接してキーウィ−の棚がある。夏になり、この植物の蔓が伸び葉が繁ると野良ネコたち
が近づきたがる。

 この話は『 小閑雑感Part 』 にも書いたが、キーウィ−はマタタビ科だから、ネコにはその匂い
がたまらないのだ。紅梅足がけにサンルームの屋根に上り、屋根からキーウィ−棚に近づいて、その匂
いをかぐ。

 下で読書などしている人間にとっては、それが気になって鬱陶しいので、ネコが屋根に上らないよう
に、紅梅の幹の中途にネコの登攀を妨げるため鍔の「キャット・ストップ」なるものを工夫して設置した
ことがある。刀の鍔のように、べニア板で梅の木の周囲を取り囲み、ネコの前進を阻もうというわけである。
が、ネコはその上を跳び越えてしまた。金網を梅の枝に張ってみたが、それもネコの運動能力の前には無力
だった。

 そんなネコと人間との難しい関係が始まる前に、紅梅は実を落とすのである。もう夏は目の前だ。

  ♫〜 薄屋根に 梅の実落つや 春の宵  

谷口雅宣著

                                       つづく


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