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聖典引用 板
1256
:
復興G
:2012/09/07(金) 14:56:36 ID:xKxowNU.
<つづき>
<第6回 WEB誌友会用テキスト>
『生命の實相』 第1巻
《實相篇(上)光明の真理 第4章》 より(12)
-----------------------
第五章 生きた事実を語る
皆さんは悲し気な顔をしている人のそばへ来ると自分もなんとなく悲しくなり、淋しそうな顔をしている人のそばへ来ると自分も何となく淋しくなったような経験がおありでありましょう。
また腹立たしい顔をして咎めつけられるとこちらも腹が立って来たというような経験もまたおありでしょう。
このようにわれわれの心の状態は付近の人々に感染(うつ)って行くのであります。心の状態が感染るものであるとしますと、病気すなわち病的な心の状態が形にあらわれたものも、感染るのが当然であります。
たいていの人は伝染病だけが感染るように思ってほかの病気は感染らないように思っていられますが、胃病や神経衰弱も感染るのであります。家族全体が一種の気鬱症になって、そのためみんなが消化不良症や神経衰弱症に悩まされているような実例も世の中には少なくはありません。これは皆あらゆる病気は精神的に感染するからであります。
連想作用で起こる病気
ある種の心の状態は連想作用によっても起こるのであります。連想作用といえば「梅干」といえば「酸(す)い」ということを思い出し、「酸い」と思えば唾液が口からたくさん出て来るように、一つの事柄を思えば、それに連絡のある他の事柄が自然に思われてくる心の作用をいうのであります。ある心の状態がこのように連想作用によつて起こることが解りますと、病気もまた一つの心の状態の客観化(かたちになったもの)でありますから、連想作用によってもおこることが解るのであります。
皆さんのお友だちのうちには雑誌の衛生記事を常に好んで読んだり、通俗医学書を常にあさって読んだりしている方がありましょう。こういう人たちはよほど自分の健康に自信のある方でないかぎりたいてい自分の身体が虚弱になって病気にかかりやすいのであります。
皆さんのお友だちは虚弱なために、健康になりたいと思って、薬の広告や衛生や医学や健康法の本をお読みになるのかもしれませんが、それはおぼれまい、おぼれまいと思いながら逆に水の深みへはいって行くようなものであります。
たとえばここに『健康世紀』とか『家庭医学』とかいう衛生雑誌があるとしますと、それをちょっと開いて見ると、その中の記事に医学博士と麗々しく肩書を付けた人が「何々病の予防と治療」などという題で、ちょっと見たらいかにもその記事を読めばその病気を予防したり治療したりすることができるかのように見せた記事がのっているのであります。が、記事の内容(なかみ)をよくよく読んでみますと少しも病気を予防する方法も治療する方法も書いてないのであって、かえって病気にかからすための暗示が書いてある場合が多いのであります。
なぜ私がこんな皮肉なことをいうかと申しますと、たいていはそんな記事にかぎって、病気を予防するためにといって病気の症状が書いてあるのであります。こんな容体になったら萎縮腎であるとか、こんな徴候は神経衰弱の徴候であるとか、胃がこういうふうに痛めば胃潰瘍の疑いがあるとか、原因不明の微熱がつづいて不眠や消化不良がともなう場合には肺結核の疑いがあるから注意すべきであるとか、実に読者の恐怖をそそることが書いてあるすえに、それを治す方法が深切に書いてあるかというと、何一つそんな深切なものは書いてはないのであって、ただ、こういう徴候の場合には素人療治や素人診断は危険であるから医者に診断してもらえと書いてあるだけなのであります。
これでは何かの生理的感じをもってただちに病気ということを連想せしめ、その連想作用によって病気にかからせ、読者の恐怖心を利用して、医者のところへわざと来させるように医者が自己繁昌策として書いたものだと思われてもしかたがないでありましょう。だから私はそんな記事は皆さんの病気を治すためよりも、病気にかからすために書いてあるというのであります。
薬の広告もこれとほとんど同様でありまして、誰にでもあるようなちょっとした疲労の感じや、折ふしの消化不良や、不眠などを、実に恐ろしい病気の前兆ででもあるかのように書いてあって、その終いにこの薬を服めとすすめてあるのがザラにあります。
こんな広告記事を読んでいますと、連想作用によって自分もその病気ではないかとフト思うようになり、フト思ったところの「自分は何病だ」という観念の種子が潜在意識に植えつけられて強く強く心の底に根を張るようになりますと、肉体の上にも本当にその病気があらわれて来るのであります。
<つづく>
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