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聖典引用 板
1251
:
復興G
:2012/09/07(金) 14:52:44 ID:xKxowNU.
<つづき>
<第6回 WEB誌友会用テキスト>
『生命の實相』 第1巻
《實相篇(上)光明の真理 第4章》 より(7)
-----------------------
また文豪メーテルリンク氏の著書『未知の賓客』の中にはこれと同様な実話が掲載されているのであります。
「或る若い機会職工は十一月はじめに次のような夢をみた。すなわち彼が午後の五時半に家に帰ってみると、姉の小さな娘が家の入口の前の街路を横切ろうとして電車に轢(ひ)かれているのを見た。彼は非常に心配して、その夢を家人に語った。
しかるに同月十三日に、できるだけ警戒をしていたにもかかわらず、その少女は予言された時刻に避けがたく電車のためにひき殺された。」
また同書には次のような事件ものっています。
「五月四日にテスト博士は彼女の夫の眼の前でホルタンス・M――夫人を催眠させた。夫人は催眠状態に入るやいなや、彼女は自分は二週間前から妊娠している。臨月まではもたぬ、五月十二日に、自分は何事かに驚く、そしてその場に卒倒した結果、流産するということを述べたてた。彼女はさらに付言して、この五月十二日には三時半に何かに驚いた後で気絶し、その気絶は八分間続くといい、次いでその病気の経過を各時間にわたって詳しく語り、その病気の結果は三日間精神錯乱となるが、自分はそれから回復すると述べたのだった。
「催眠状態から覚めると同時に、彼女はすべてを忘れてしまった。彼らは催眠中に起こった事柄をM――夫人自身には秘密にした。
テスト博士は、彼が当時書きとめた手記をアメデー・ラチュール博士に送っている。これが証拠になるわけである。
予言された五月十二日になると、テスト博士はM――夫人とその良人とを訪問した。博士はM――夫人を催眠状態に導くと、彼女は八日前に言った事を一語一語繰り返した。彼女は催眠状態から覚醒状態に戻された。
予告された危険な時刻が刻一刻近づいてきた。博士と良人は、想像しうるあらゆる用心をして鎧戸(よろいど)さえも閉めてしまった。
M――夫人は自分は全然理解することのできぬ、この異常な警戒ぶりを見て、かえって不安の念にかられ始めた。そして『いったいあなたたちはわたしに何をなさろうとするのです』と尋ねた。その時、あたかも時計が三時半を打った。M――夫人は掛けていた長椅子から立ちあがって、戸口の方へ行こうとする。博士と良人はそれを妨げた。
「『けれどいったいあなたがたはどうなさるんです? わたしはどんな事があっても出て行きます』
とM――夫人は抗弁した。
『いいえ、奥さん、部屋を出ては、あなたの健康のために悪いのです』
『それなら大丈夫です。先生、わたしの健康のためならいっそう外へ出る方がよいじゃありませんか』
夫人は笑いながらこう答えた。
その理由はいかにももっともであり、それ以上抵抗することができなかった。だが、良人(おっと)は、運命と最後まで戦ってみようと思ったので、妻についてゆこうと言い出した。
博士はこの事件がやや滑稽な経路をとって展開して行くにもかかわらず、かなり心配して部屋にひとり待っていたのだった。
と、とつぜん耳をつんざくような叫び声が聞えた。博士が急いで行ってみると、狂乱したM――夫人が瀕死の状態で良人の腕に抱かれていた。
わずかの間良人のそばを離れて、彼女が自分の行こうと思っていた場所の扉を開けた刹那(せつな)、二十年来一度も出たことのない場所で、一匹の鼠(ねずみ)が彼女に跳びついて、非常な驚愕を彼女に与えたので驚きのあまり彼女は仰向けに倒れてしまった。そして予言の残りの部分も、一刻もたがわず、一事もあやまたずしてすべて的中したのであった。」
ここにあげたこれら数々の不幸の運命の予言は、できるだけ注意して逃れようと焦りながらもどうすることもできないで、不幸な運命に吸い寄せられて行った人々の実例であります。
先刻申しましたように、われわれの心は未来において物質世界に映し出さるべき事件を、それがまず「念の世界」にあるうちに感ずることができるのでありますが、この感じ知った事件に、或る心の向き方の人は、どんなに巻きこまれまいと反抗しながらでも必然的にその不幸な事件へグングン磁石的な力で引きつけられて行くのであります。そうかと思うと、三輪栄子さんや、ピー・ハワード夫人のような人は、不幸な事件が自分の付近に、あるいは自分の住んでいる家にさえ起こってでも、その事件には引きつけられないでちょっとも危害を受けないですむのであります。なぜ、人によってこんなに結果が相違するかということは、われわれがぜひ考えなければならないことではありますまいか。
<つづく>
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