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聖典引用 板

1142うのはな:2012/08/20(月) 10:33:59 ID:Gsql6f66
   はしがき

 人の偉大なるは人それ自身の本質による。金の良質なるは金それ自身の本質による。
金は鉱石を外から磨いても純金となるのではなく、その本質を抽出するところに純金が顕現するのである。
人間の教育もかくの如く、人間を外より磨くよりも、その本質を内より抽出することによって完成するのである。
併し人は金よりもなお偉大なるものである。金は自然に放任するときは、みずから内よりその純分を析出しないけれども、人は
生命であるから、本当に自然に放任するとき、栗の実が毬を破って出ずる如く、おのずから其の本質の善さを露呈するのである。

 人の偉大なるは縛られて善くなるのではない。「本当の自然にまかす」とき、内在無限の善さが、内在無限の能力が、内在無限の智慧が、
内より露呈して発現するのである。併し「本当の自然にまかす」とは、何であるか。
それはただの放任ではない、大生命を知り、大生命に任せるのである。

 ただの放任は「自然にまかせた」ように見えていて、その実は今迄の「悪しき惰力」に縛らせている場合が多いのである。
悪しき惰力に縛られずして、人それ自身に宿るところの大自然を喚び出して、それにまかせて教育する教育が吾らの生命を培う教育である。
人それ自身に宿るところの大自然とは何であるか。これこそ吾らに内在する神性であり仏性である。
この内在の神仏を呼び出すは言葉の力により、文章の力による。

 吾らの教育の本質と方法とを万人に宣べ伝えて、一挙にして全人類を光明化し、地上に一人の劣等児童なく、虚弱児童なく、家庭争議なく、一切の
歪める思想家なく、神そのものの如き人間を地上に創造せしめんがために、吾らの生命の根元を培う教育を通じて成就せんとする地上天国建設運動に協力せられん
事を庶願う。

『生命の根元を培う新しき教育』 谷口雅春 著 新教育者連盟 編


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