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聖典引用 板
1050
:
a hope
:2012/08/01(水) 08:04:40 ID:kJvHf4/g
人生読本 谷口雅春先生著
重田さんの体験②
或る日のこと「今川焼」といって、メリケン粉を溶いて流し込んで、
そこへ餡(あんこ)を入れた饅頭(まんじゅう)のようなものを焼いて売る露天商人がありますが、
その露店商人が重田さんの店へ来て、その今川焼を焼く鍋をくれと言うのです。
店頭(みせさき)に型の大きいのと小さいのと二種類その鍋が陳列してあったのであります。
ところが重田さんのお母さんが、奥座敷でちょっと手の離しにくい忙しい用事をしておられたので、
そのお客さんが「この今川焼のお鍋これは幾らですか」と言われたら、
店先まで出て行かないで、座敷からちょっと覗いて見て、
「その大きい方はいくらで、小さい方はいくらでございます」と言われて首を引込められた。
「それじゃ小さいのを貰ってゆきます」こう言って、
その露天商人はお金を置いて立ち去ったようでありました。
あとで見ると、大きな鍋を持って帰って小さい方の値段を置いて帰っておったのであります。
それを見て、息子さんが、
「今まで生長の家の本を読んで、人間は神の子である、仏の子であると思っていたが、
ああ人間にも神の子でない者がある」こう言われたそうであります。
重田さんのお母さんはそれを聞かれて、すぐ反省せられたのであります。
「ああ申訳ないことをした。人間にも神の子でない者があるという理由がない。
神の子でない悪人のように見えるのは心の迷いがそこに現れているので、
誰も本当の人間はみんな神の子なのだ。
それだのにただ一人でもこの人類の兄弟を神の子ではないと
自分の息子に思わせたということは申し訳のないことをした。
何とかしてみんな人間は神の子だと思わすようにしたい。
神の子であり善人である人間を悪人だと思わすようにしたのは、それは私が悪かった。
なぜなら、私は商売をしているのだから、お客さんが来たら側(そば)までいって鄭重(ていちょう)に応対して、
品物を渡してお金をいただいてお礼を言わなければならないのを、
つい忙しいからと自分勝手の理由で、奥座敷の方から『それはいくらですよ』と軽率にお客さんを取扱った、
それで私の軽率な心が映ってお客さんがこういうふうな軽率なことをなさったのだ。
これはお客さんがわるいのではない、私の心の軽率がお客様の上に映写(うつ)されて、
そういう仮の相(すがた)が現れただけであるから、
ぜひとももう一度あの人にも神の子であるという実の姿を現していただくようにしなければ申訳がない」
とお考えになりまして、
「そうじゃありませんよ」と、その息子さんに言って、
「あの方もやはり神の子だ。
私が軽率でわるかったのだから、
今にきっとあの方は必ずお金を持って来て、
正しい神の子の実相(ほんとうのすがた)を現されますよ」
と言われたそうであります。
(つづく)
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