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聖典引用 板

1039金木犀:2012/07/29(日) 15:27:20 ID:auusu5IE
日本再建の道を拓くもの(11)  谷口雅春先生  『生長の家』誌昭和57年8月号

歴史的仮名遣を廃して発音式になんでも書けば簡単で児童の精神を過労せしめないために結構だと云う、アメリカさんの日本への押し付け政策が正しいのならば、何故アメリカさんはhighとかneighbourとかphotographとかの発音には不要なサイレントのghを消さないのか、phを何の為に簡単な発音通りのfにしないのか。アメリカの兵隊さんにphotographの綴りが書けない者が沢山あったこともきいた。アメリカさんは自国の歴史的綴字法を廃せずして日本に対してのみ親切めかしく歴史的仮名遣を廃するように勧めたのは何かその奥に理由がなければならないのである。それはまことに「占領政策」であって、日本強化の政策では無論ない。

発音通りの仮名遣いにして、しかも使用する感じの数を減らしてしまって、二、三代経つうちには、その発音は如何なる漢字から来たか不明となり、現に使っている言葉と、それがよって由来した語源との連絡が不明になり、日本の古典や古き歴史の書物が読めなる。かくて日本の歴史を読む能力のなくされた日本人は、心のなかで歴史なき日本人となるのである。歴史なき国民は浮浪児と同じである。浮浪児は「家」がないから、「家」を護ろうなどとは考えない。それと同じく、歴史なき国民は歴史的存在としての日本国を護ろうなどとは考えなくなる。日本人はコスモポリタンとして、国際的浮浪児として、全体の中に溶けて無くなる。まことに巧みな占領政策であったのである。

このような占領政策に迎合して参議院で、常用漢字の制定や、発音通りの仮名遣いを全日本人に強制することに骨折った議員が、錚々たる文学者の中にもあったのだから、如何にその占領政策が巧みなものであったかがわかるのである。教科書の漢字制限以後に教育された青年が、どんなに読書力が低下しているかは日本教文社で発行している『理想世界』と題した易しい雑誌が読めない青年が多いのでもハッキリわかるのである。言葉と文字とは幼年時代に教えて置けば、同時に三ヶ国語位は覚えられるのである。吾々よりは十年も前の日本人は四、五歳位にして漢文を修め四書五経を素読し得たのであるが、それでも、難しすぎて頭脳を悪くした、と云う明治初年時代の人間はいなかったのである。吾々の時代になると漢文はそんな幼年では教えられなかった。やっと中学時代になって漢文を習ったのであり、従って、もう吾々の時代には短くて含蓄と深味のある文章を書けるものは乏しくなった。まづ森鴎外あたりをもって漢学の素養が文章に味いを与えていた時代の終末と見て好いのである。漢字が読めなくなると忠孝の思想を盛った古典が読めなくなる。こう云う点にも占領軍の施策に深謀遠慮がみられるのである。(つづく)


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