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「今の教え」と「本流復活」を考える・挨拶板

1116役行者:2012/05/09(水) 14:58:32 ID:ne2N0HEs

  >>1104

金木犀さま

 お久しぶりです。ご無沙汰しています。
保田與重郎翁の『日本の伝統』の謹写、心から感謝申し上げます。
文章から保田翁の人柄が滲み出ています。

 寛容と偏狭

>このような支那の知識人の中でも、少しの例外があります。
老子に心をよせた人々で、この人々を「黄老の仲間」といいます。この黄老の人
達は、日本の芸術家や詩人に近い気風をもっていました。
 日本人は、ものを受け容れて自分を失うことがないのです。
自分を失うひとは、外のものを受け容れることはできません。他を容れることの
できる人は、自分を失わない人であります。<

つまり、本物を受け入れるのでしょう。本物を知っているのでしょう。
それは、日本の丁稚制度から来ると思っています。
丁稚の時に本物を養う目を磨いていったのでしょう。

 >近い時代の例では、明治維新の西郷隆盛です。
隆盛は何でも受け容れた英雄ですが、自分を絶対失わない人でした。受け容れる
というより、自然に化す。自分も風景も一つ、自分も他人も一つ、山も川も天地
万物が一つであります。あの偉大な明治維新をつくった人々のうちで一番偉い西
郷さんは、このような人でした。この人は「相安相忘」の見本のような大人物で
す。ものを取り容れるというのと、自然に化すというのとは、現象的に似ていま
すが、自然に化すのが、より高い境地といえます。<

老子といい、西郷翁といい、心から敬愛しているのです。
 
>>1107

>以前は、職人の家に弟子入りすると,
一、二年は掃除のようなことばかりやらされたものです。心掛けのよい子供は、
その間に親方の仕事ぶりや仕事に対する心構えなど根本のものを、知らず知らず
のうちに身につけたものでした。
 仕事をしている人というのは,仕事を楽しんでいる人です。仕事と金もうけは
別で、このけじめは大切です。家屋でも日用品でも、今のものは悪い、昔のもの
は強くて使いよく永持ちすると言われるのは、子や孫の代まで使えるようにと考
えて作ったからです。そういうものを作り、そのものをそういうように使うこと
を「冥加がよい」と言い、使い捨てにするようなものを作り、そのように使うこ
とを「勿体ない」と言ったのです。<

いわゆる、日本の丁稚制度が日本の文化を創り上げてきたと云えるのかも知れません。
丁稚、下積み、部屋住みなどが、何においても大切なのかも知れません。


 >「灑掃、応対、揖譲、進退」は『小学』として、
これは子供のときに教わるのです。これを了えて『大学』となります。 <

たぶん、子供の頃にこのような教育を受けている大人が多ければ、
現代の日本は少しまともになっていたでしょう。
大の大人になっても、今からでも遅くないから、
修養を積むことが大切なのかも知れません。

                         合掌


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