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生長の家政治連合と「今の教え」を考える

1487金木犀:2012/08/04(土) 18:23:44 ID:auusu5IE
 以下、大日本帝国憲法の精神について、葦津珍彦氏の論文より転載。

明治天皇は、祭政一致の制度を典型的に、明確にしめされたが、天皇御自らの第一のおつとめは、祭祀にひたすら御専念なさることにあった。全国いたるところに行幸され、親しく民情を知ろしめされたが、天皇が政策論争や政権移行について直接干渉なさることはなかった。大臣や議員は、皇祖の神器とともにあらせられる天皇を拝し、天皇国統治の神聖なる第一義的目的について反省させられた。

 政策の決定は、国会や閣議の論争を通じて行われたが、そこでは当然に権謀術数の策も展開されたけれども、常に天皇の存在そのものが、政治的手段に流れようとする政治家に、強い反省力を与えた。所定の手続きを経て後に、一つの政策が決定され、それがただの一党派一セクトの主張ではなく、国の法令として公にされるためには、それはすべて天皇に報告し、天皇の裁可を必要とした。天皇が裁可なさらぬということはなかったが、政治家はそれが天皇の名に於いて裁可されるにふさわしいものであるかどうかを反省させられる機会を与えられた。また政府に対する批判者、反対者の側でも、ただ政府の政策が、おのれの利に反するということでなくして、それが神聖にして公正なる天皇の統治として認め難いということを立証するにつとめた。それが天皇統治の「思想の論理」であった。政策論争は、どちらがより公正にして神聖なる「天皇統治」の目的に一致するか、との共通の論理の上に立っていた。それが激しい政治的対決のために、ともすれば救いがたい泥沼の謀略闘争に落ちてしまいがちな政治に、大きな自己反省を与え、手段のために神聖なる本来の統治目的を見失わせない偉大な力となった。

 それは天皇国日本の証書を見れば明らかである。国家の大事を決するときには、天皇の詔書によって明示された。政策のプラン・メーカーは、権謀の泥沼の中にあって、いろいろの動機によって動かされ、様々の策謀を巡らせた。しかしそれが最終的に、国是として定まるのには、それが由緒正しき、神聖なる天皇の詔(みことのり)としてふさわしいものとなるまで、浄められ高められねばならなかった。天皇国日本の詔書は、つねに神聖なる道義の線から外れることは許されなかった。その間の消息について、詔書の起案や審議をしばしば経験した故吉田茂氏(内閣書記官長、厚生大臣、軍需大臣等を歴任して戦後神社本庁の事務総長として没す)が、詔書の起案審議について語った談話は、はなはだ印象的である。

 私が、閣議に列して詔書の起草に奉仕した経験からいうと、詔書の起草の時ほどに“皇位”の神聖を痛感することはない。形の上でいうと、詔書は内閣書記官長が起案して閣議に提出する。各国務大臣が、それぞれに意見を述べて修正加筆、削除がされる。最期の決定案が出来て、内閣から陛下の御裁可を仰ぐ。御裁可を仰いだ後に修正されたというようなことは、私の知る限り帝国憲法実施以来、かつてないことと思っている。これを外側から形ばかり見ていると、閣議の決議書と同じではないかというような浅薄な感想を持つ人もあろうが、これは精神的にはまったく別のものである。
 書記官長も詔書の起案には、二、三の助言者を求めて執筆するが、その時の心境はまったく平常とは異なるものとなる。自分というものを考えない。陛下の御心境、御立場を拝察しての歴史的文章であることを考えているので、平素には思いも及ばぬような高い心境に到達する。
 閣議で審議される時も同様である。いつもの閣議では、閣僚は各省長官として、または一政派の代表としての意識に支配されており、策略的な駆引きの空気が議場を支配する。だが詔書の審議の時には、それらが一切消え去ってしまって、すべての閣僚が、いかにして崇高な大御心を伝えるかという一点に真剣になる。あの大臣が、この大臣が、こんなに崇高な精神に思い及ぶのであろうかと驚嘆するような発言をする。詔書起草の時の閣議には、皇祖皇宗の神霊が臨ませられ、閣僚が全く大御心に帰一して動いているのを決して疑わない。詔書は、まさしく大御心の表現であると信ずべきである。もとより国務大臣の詔書はその輔弼の責任を証するものであるが、詔書を以て内閣の決議書のように考えるのは断じて誤りである。詔書起草の閣議を経験した人は、皇位の精神的威徳のいかに偉大なるものであるかを決して疑い得ないであろう。(『神社新報編集室記録』の中の吉田茂氏談話)


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